Vol.12 本当に好きな街ニューヨーク(散歩編)+D Style 快楽旅団

» 2007年01月30日 17時16分 公開
[猪蔵,ITmedia]
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 連載もこれで第12回。読者の方々に感謝感謝である。

 さて今回もニューヨークである。仕事の関係か、この地には1人で出かけることが多い。

 ふと空いた1日は、マンハッタンの中を縦横無尽に動くのが自分のスタイル(多動症?)。前回の書店案内同様いつでも歩く事によって新しいことが手に入るのがニューヨークだ。

 今や観光都市であるこの街には、観光用のフライヤーや看板やツアーなどこれでもかというくらい用意されている。もちろんこれらのツアーも楽しいだろう。ニューヨークを体で感じるのは1日あれば十分(ちょっと強引だな)。縦横無尽に歩けばなんとかカバーできる! 今回は、時間のない人でも1日で巡るニューヨーク散歩コースを紹介しよう! 但し猪蔵趣味のため、クレームは受け付けません。

地図が読めなくても良い街

 ニューヨークが分かりやすい街とよく言われるのは、ブロックごとにストリートとアベニューで分けられている事だ。東西に移動するならば、アベニュー(.Ave)を。南北を移動するならストリート(St)を動けばよい。ちなみに南北移動は地下鉄、東西移動はバスが便利良い。後は、数字を確認すれば問題ない。基本は歩きで疲れたら交通機関を利用するようにしたい。

9:00―歩き始める

photo ただひたすら歩き続けるのであった

 海外での朝は何処にいっても早く目覚めるもの。朝食をホテルでとるのも良いが、ホテルから程近いブロックのコーナーにあるデリ(日本で言う雑貨屋さんのような)でコーヒーをすすりながら早速散歩を始めたい。今日のコースはアップタウンからダウンタウンまで朝9時から夜9時まで遊んじゃうという強行スケジュールだ。

 まずは、アッパー・ウェスト・サイドにある老舗のスーパー、Zabar's(ゼイバーズ)を目指す。Zabar'sは、日本でも有名なDEAN&DELUCA (ディーン&デルーカ)同様高級スーパーがあるが、親しみやすい。いつもここで散歩用の食事を買うようにしている。朝の時間であれば焼きたてのパンや惣菜が出来上がっている頃なので、フレッシュジュースやフルーツを買い込んでお腹を満たしたい。そして次にすてきなカフェにもなるセントラルパークを目指そう。80thSTに位置するからそのまま79thSTの公園入り口まで行こう。ここセントラルパークは巨大な公園。中にはRavineと呼ばれるセントラルパークの秘境も!常時、流れている川があり、2つの滝が存在するのだ。その近くで食べる焼きたてのクロワッサンとコーヒーは格別だ。

10:30―美術館ははずせない

photo 充実のMOMAミュージアムショップ

 食事を済ませたら、ひたすら公園を気持ち上に向かう感じで横断してほしい。85thSTまでのぼり出口を見つけ、さらに上に4ブロックほど上ればGuggenheim Museumグッゲンハイム美術館が見つかるはずだ。フランク・ロイド・ライトが設計したすり鉢状の建物は印象的だ。前回も紹介したがミュージアムショップに足を運んでほしい。さて、この5thAveにはメトロポリタン美術館やホイットニー美術館などな美術館が多く点在する。美術館を巡ったらそのまま5thAvを下りていく。59thSTまでいくといわゆる高級ブランドが並ぶ5番街の入り口に到着する。現在ホテルからレジデントに姿を変えようとしているPlazaやおもちゃ屋のF.A.O. Schwartz。ガラス張りで24時間営業のAppleストアが見えてくる。ウィンドーショッピングでもこのあたりを歩くのは非常に心踊るものがある。

 その後53rd STまで行き6thAVEに入ると近現代美術専門の美術館であるMOMAに到着する。美術館でゆっくりと時間を過ごすのも良いが、ここでもやはりミュージアムショップを覗く。シャレたガジェット勢ぞろいなのギフト最適だ。そのまま43rd St.まで南下し写真美術館であるICPへ向かう。ここも前回紹介の通り。はす向かいのBRYANT PARKでは、定期的に映画の無料上映を行っているのでここで一休みするのも良い。

14:00―遅めの昼食

photo 鳥うどん7$だが、麺はフォーでグリングラスソース

 32nd STのエンパイアステートビルに登るのも楽しい。時間をはずせば意外と人は少ない。この辺りはコリアンタウンでついついおいしそうな匂いにつられ、お腹がすいていることに気づくはず! ランチを取らねば! しかしここはぐっと我慢し、ユニオンスクエアを目指す。REPUBLICというレストランでお目当てのランチを取るためだ。フレンチ風味のベトナム料理だが、ベースは日本の麺類だ。まったく訳の分からないかカテゴリーだが是非一度試してほしい。滞在中は2度3度と足を運ぶのが常となっている。


photo 紫色がスクールカラーのニュヨーク大学

 お腹いっぱいになったらさらに南下する。グリニッチビレッジを通り抜けるとあちらこちらでニューヨーク大学のバナーを目にするようになる。この辺りはニューヨーク大学の校舎が立ち並ぶ。日本の大学と違い多くのカレッジが集まってユニバーシティーを構成している。そのため学部ごとに学校名も大きく違う。先ほどのICPもニューヨーク大学の一部だ。大学があるということは当然学生の街でもある。周辺には安くてボリュームのある食堂や学生向けのディスカウントの店もあり是非足で探してもらいたい。

16:00―魅惑のSOHOよりチャイナタウン

photo 疲れたらカフェに立ち寄って情報整理

 学生街抜けるとマンハッタンで一番お洒落といわれているSOHO地区に入る。店主のこだわった店や世界中の旗艦店が多い。UNIQLOやDEAN&DELUCA もこの辺りに。自分の場合はSOHOを通り抜けチャイナタウンへ向かう。元々チャイナタウンはCanalSTより南側だったが最近ではSOHO横のリトルイタリー地区を侵食し、北上している。そんなややリトルイタリーに存在するDumpling House(ダンプリング・ハウス)は、ニューヨークで一番美味しい餃子屋さんとして有名(なはず)。場所は、Grand StとBroome Stの間。いつも行列ができているので確認できるはず。焼き餃子が5個でたったの1ドルだから買うしかない。

18:00― 一杯飲んじゃう

photo St.Marksの生きている棚。必ず堀り出し物が見つかる

 中華な雰囲気に浸りながらも今来た道を引き返し、一路アスタープレイスへ向かう。目的は、夜8時から始まるオフオフブロードウェイのショーBluemanGroupのチケットをピックアップするために一度劇場に向かう。あらかじめ日本でネット予約を行い、WILCALLにしておけば現地でチケットがゲットできる。


photo なんだこれは? というカルトな作品が眠っている

 まだ時間があるので近くの日本人街にある猪蔵一押しのSt.MarksBOOKSへ。KIM’SVIDEOというカルトなビデオショップもあるのでチェックされたし! アスタープレイスからセントマークスへは友人がPodwalker(音声地図)で紹介しているので参照されたし。


photo 帰りは寝ながら地下鉄で

 本屋をチェック後はやきとり大将へ。この辺り日本料理屋も多い。あたりはずれが多いので気をつけて。大将は特に可もなく不可もなく……。そしてほろ酔いになりながらBluemanが上演されるAstroPlaceTheaterへ。これで長かった一日が終了。公演は22時には終了する。この後は飲みにいくかホテルに戻るか? その日の気分で決める。比較的遅くまでやっている店も多い。24時間交通が動いているのはありがたい。

 さて、観光という事であれば、ほかにもトライベッカやバッテリーパークや自由の女神などなど散歩するのにはうってつけの場所はたくさんある。これはまた次の機会で。今回のニューヨークはここまで!

(ロケ地:ニューヨーク)

巡礼リスト

◇Zaber's
249 W 80th Street
http://www.zabars.com/

◇Solomon R. Guggenheim Museum
1071 5th Avenue (at 89th Street)

◇Apple store 5thAVE
767 Fifth Ave.

◇The Museum of Modern ArtMOMA
11 West 53 Street (5thand 6thAVE)
http://www.moma.org/

◇MoMA Design and Book Store
11 West 53 Street (5thand 6thAVE)
http://www.momastore.org/

◇ICP(International Center of Photography)
1133 the Americas AVE at 43rd St.
http://www.icp.org/

◇REPUBLIC
37 Union Square
http://www.thinknoodles.com/

◇Dumpling House
118 Eldridge St (Broome St and Grand st)

◇Kim's Video
6 Saint Marks Pl
http://www.mondokims.com/

◇やきとり大将
5 St.Marks Pl.(Bet 2nd & 3rd Ave.)



著者紹介

猪蔵(いのぞう)

株式会社ヒマナイヌ 取締役副社長いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野編集者兼古物商。大学在学中より映像編集をはじめる。傍ら、株式会社まんだらけの店頭公開業務に取締役として従事。公開後、株式会社イマジカに移籍し、ソフトウェア開発を行なう。また映像専門誌「DVJ」編集デスクも務める。2003年(株)ヒマナイヌを起業。現在は東京麻布十番のカフェ縁縁を経営他、投資会社(株)アストリックス・キャピタル・パートナーズの取締役に就任。一瞬香港在住。プランニングを中心に映像に関するライティングや著書、TV番組の構成も手がけるなど多方面に活躍中。「人への思いやり」や「おもてなし」をテーマに頓知の利いた商品を世に送り出そうと奔走中。


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