春は、なぜか浮かれる季節。しかし多くの出会いと別れの季節でもある。
「さよならだけが人生だ」と先達の言葉にあるように、人生とは、出会いと別れの繰り返し。かく言う自分も本連載担当のK女史が異動……。 打合せという名の明け方の泥酔は今となっては懐かしい思い出……。
さて、前回同様、韓国である。もちろん韓国でも出会いはたくさんあり、気付きの日々なり。
一番の出会いは韓国での食事であった。聞きかじりのため、情報が不確かな点はご了承願いたい。自分の中で韓国料理といえば、主にプルコギ(焼肉)とキムチである。
赤い! 辛い! うまい!というのがこれまでの韓国料理のイメージだった。それが見事に、真の韓国食に出会い、認識を改めることとなった。今回食べ尽くしたら、自分は体重増量をも覚悟しつつ……。
平素韓国の人々が食べているものは、ご飯を主食とし、さまざまなおかずを添えて食べる食事形態である。主食は、日本と同じく米であるが、そのほとんどが、ご飯と粟、麦、大豆、小豆等の雑穀を混ぜて炊いた雑穀飯を基本とする。そして副食にはクク(汁)、チョッカル(塩辛)、ナムルが定番で付いてくる。ククは、ご飯に必ず添えて出されるスープ。野菜や肉など様々な材料が使用されるが、具は重要ではないらしい。とにかくスープを飲めと薦められた。
もちろん辛い料理ということには、変わらないが、ただやみくもに辛いというわけではなく、そこはかとなく甘みがあり、丸い辛さとでも言おうか、日本では苦手とした辛さではなかったのだ。しかし日本の韓国食の異常な辛さは何なのだろう……? 聞く所によると食事は「医食同源」、体には悪いものを取らないのがベースだという。夜、体に良いスープを飲もうということで、弊社スタッフの任君に紹介してもらったのが、牛の血を固めたスープ。これがうまかった。さらにいろいろと食に関して説明してもらった。今回出会った調味料で気にいったのが「ヤンニョム」。韓国では素材の味と香りを生かすために、これを使う。漢字では「薬念」と書く。韓国は古くから儒教と共に陰陽五行説にあらわれる「五味五色」を重視し、「五味」すなわち、辛、苦、甘、酸、塩味が調和した料理を作ってきた。まずは体に良いものとるのが基本だ。今の経済発展の源はここにあるのかもしれない。
滞在3日朝昼晩+オヤツと夜食(つまみ食いは除く)約12回で韓国のグルメを食べ尽くした! 宮廷料理などではなく、なるべく韓国の人が普段食するものを選んだ。 というわけで今回は食べたものを棚卸し。量は食べるけど。お腹も膨れない!実は3日間でマイナス3キロ。韓国食はそう、実はダイエットに向いているのであった。
(ロケ地:韓国)
猪蔵(いのぞう)
株式会社ヒマナイヌ 取締役副社長いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野編集者兼古物商。大学在学中より映像編集をはじめる。傍ら、株式会社まんだらけの店頭公開業務に取締役として従事。公開後、株式会社イマジカに移籍し、ソフトウェア開発を行なう。また映像専門誌「DVJ」編集デスクも務める。2003年、株式会社ヒマナイヌを起業。現在は東京麻布十番のカフェ縁縁を経営他、投資会社・株式会社アストリックス・キャピタル・パートナーズの取締役に就任。一瞬香港在住。プランニングを中心に映像に関するライティングや著書、TV番組の構成も手がけるなど多方面に活躍中。「人への思いやり」や「おもてなし」をテーマに頓知の利いた商品を世に送り出そうと奔走中。
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