コラム
» 2008年07月03日 08時00分 公開

一眼レンズを2 in 1? OLYMPUS G.ZUIKO AUTOーW F3.5/28mm-コデラ的-Slow-Life-

OLYMPUSのジャンクレンズを買った。不具合の箇所が違う2つの同種レンズを組み合わせるという“レンズでのニコイチ”。果たして移植は上手くいくのだろうか。

[小寺信良,ITmedia]

 以前の記事で、OLYMPUSの28mmのジャンクレンズを買った話を書いた。それっきりほかのカメラにかかりっきりになっていたので半分忘れていたのだが、先日中古カメラ店内を物色しているときに、似たような状況のレンズに出くわした。

 正確にはこのレンズは、OLYMPUS G.ZUIKO AUTOーW F3.5/28mmである。F3.5と若干暗いのが難点だが、ワイドレンズは中古でも結構高い。以前買ったジャンクのレンズは、レンズの玉そのものは綺麗だが、ヘリコイドが回らない。今回見つけたのは、レンズ前玉の拭き汚れが激しく、絞りを回しても羽根が動かない。そのかわりヘリコイドは回る。


photo 同タイプのジャンクレンズをもう一つ購入

 両方を組み合わせればちょうど1個分になるのではないかと思い、購入した。1000円+消費税である。カメラ本体をニコイチする例は珍しくないが、レンズをニコイチする例はあまりないように思うので、きっと面白いだろう。

 購入した2つを見比べたところ、あとで購入した方がシリアルナンバー的にも新しく、ボディ部も綺麗だった。ネジの欠品もなさそうだが、前玉群の2番目のレンズ、もっとも屈折率が高く中核となるレンズに、かなりの拭き汚れがある。いずれにしても分解品には違いないが、こちらをベースにレンズ交換で処理していった方が良さそうだ。

 だがそれよりも、まず絞りリングが空回りして羽根が動かない件をなんとかしないと、玉だけ変えても仕方がない。さっそく分解である。先に買った方はすでに分解済みなので、構造は分かっている。一眼レフ用のレンズは、前からバラしていってもらちが明かないので、後ろからバラしていくものだ。

レンズの分解は後ろから


photo レンズのバラシは後ろから

 OLYMPUSのレンズは、前玉群と後玉群がユニットになっているので、一つずつバラしていく必要はない。後ろからカバーとヘリコイドを外すと、絞りが動かない原因が見えてきた。

 絞りリングと、実際に絞りを動かすためのレバーが噛み合っていない。後ろから見ればなんてことのない組み立てミスだが、前の方から組み立てていくと、絞りリング自身の陰になって、この部分が見えなくなってしまう。つまりここまで外しちゃったら、もう前側から組み立てることは無理なのである。


photo リングと絞りレバーの連結部分が外れている

 前玉の拭き汚れから想像すると、おそらく前の持ち主は前玉の間に入ったホコリを取ろうとして、前の方から分解していったのだろう。しかし前玉だけでなく絞りリングまで外してしまい、元に戻せなくなってしまったものと思われる。


photo 改めて前の方から、絞りリングを外さずに分解

 前玉にホコリがあるのが許せないというのは、メンタリティとしては理解できるところだが、実際には前玉のちょっとしたホコリや傷は、撮影時にはフォーカスの中に溶けて分からなくなってしまう。もちろんその不純なものが光の中にあることが許せないということなのだろうが、実際には影響はほとんどないと言っていいだろう。むしろ気にしなければならないのは、結像面に近い後玉の汚れである。


photo これが28mmという広角を実現する中核のレンズ

 無事絞りも動くようになったので、後ろの方は元通り組み立て直しておく。次はレンズの移植である。今度は前の方から外していく。拭き汚れのある玉を外し、綺麗な玉と入れ替える。がたつきがないことを確認しながら、ネジを締めてできあがりだ。

 これぐらい綺麗なレンズだと、中古でも2万円は下らないと思うが、手元にあるのはジャンク2つ分で2000円である。果たして移植は上手くいっているのだろうか。

小寺 信良

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映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作はITmedia +D LifeStyleでのコラムをまとめた「メディア進化社会」(洋泉社 amazonで購入)。


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