コラム
» 2009年01月08日 10時00分 公開

“赤いヤツ”は3倍スラスラ書けるか――「REDFLY」コダワリのデジタル筆記具(2/2 ページ)

[西坂真人,ITmedia]
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舶来モノは日本語が下手!?

 さてこの、シャア専用ズゴックかアイアンマンのような渋い小豆色をしたREDFLY。Windows Mobile機との同期は、機種ごとに用意されているドライバーをCelioのサイトからダウンロードするのだが、“舶来モノ”だけに日本の端末はリストアップされていない。だが、S21HTのOSはWindows Mobile 6.1 Professinaol Editionなので、同じOSを採用している兄弟機用のドライバーを探せばOK。筆者はRFP6_01040061.CAB(1月8日時点での最新バージョン)というドライバーをS21HTにインストール、無事に同期することができた。

photophotophoto キーピッチは16ミリ。パンタグラフ式のキーは、軽い打鍵感のキータッチを実現。よほど手の大きな男性でなければブラインドタッチもそれほど苦ではない。静電式のタッチパネルでマウス操作も可能。背面のUSB端子で外付けマウスも利用できる。キーボード上部にはToday/メール/IEやL MENU(左ボタン)/R MENU(右ボタン)などWindows Mobile機向けの専用機能キーが用意されている

 S21HTとREDFLYとの同期はUSB経由でも行えるが、やはりREDFLYの真骨頂はBluetoothによるワイヤレス同期だろう。一度ペアリングを行っておけば、S21HTの電源が入っていようがいまいが関係なく、REDFLYのF12キーに割り振られているBluetoothボタンを押すだけで瞬時に同期が行える。そしてこのワイヤレス同期はBluetoothが届く範囲ならS21HTをどこに入れていてもOKなので、カバンやポケットに入れっぱなしでもかまわないのだ。

 おー、これはすごく便利……なのだが、米国生まれのこの“赤いヤツ”は残念ながらBluetoothで日本のTELEC認証を受けていない(FCC/CSA/CEマークなどはちゃんと取得している)。一部の見解では、国内販売用でなければCEマーク取得で「一時的な」Bluetooth利用はOKという声もあるが、いずれにしても常用はNGなのでUSBケーブルを介しての有線接続で検証してみた。

動画で見るREDFLY


 さて同期を済ませたREDFLYで、最大の目的である日本語入力を試みると、あれれ? タイプミスしたわけでもないのに、入力したはずの文字が出ていない……?

 なんと、特に際立って速くもない筆者のブラインドタッチでのキー入力が、反映されていないのだ。ゆぅーっくり、ほとんど実用的でない超スロースピードで打鍵しないと、取りこぼしてしまう。キー入力に処理が追いつかないためか、キーバッファの取り込みがうまくいっていないのか原因は分からないが、複数のキー同時押下に対応できていないようだ。いずれにしても、テキスト入力を快適にするためのガジェットで、こんなことはあってはならない。

 だがこれはREDFLYではなく、S21HT側の問題のようだ。試しにモバイル編集部からWILLCOM 03を借りてREDFLYと接続してみたところ、快適なスピードで入力が行えた。どうやら、S21HT標準でインストールされているIME(日本語入力システム)「Advanced Wnn」との相性がよくないらしい。

 ちゃんとキー入力ができたWILLCOM 03に搭載されているIMEは「ケータイshoin」。ということで、ケータイshoinのベースにもなっている製品版IME「FSKAREN」をS21HTに導入して、このキー入力時の問題も見事に解決した。これでREDFLYを徹底的に使い倒せるようになった。

「単体で何もできない」ことの魅力

 REDFLYの最大の魅力は、それ自体「単体では何もできないこと」だろう。同期させたWindows Mobile機が手元にないスタンドアロン状態では、テキスト入力ひとつできないのだが、その一方でメモリを持たないREDFLYには、同期が切れれば何のデータも残らない。

 ここでピンときた読者は、常日頃モバイルPCのセキュリティ対策に悩まされている人だろう。そう、仮にREDFLYを入れたカバンを電車の網棚に忘れても、大切なデータは胸ポケットのS21HTにすべて収められているのだ。個人PCからの情報漏洩が問題視されている中、REDFLYのようなシンクライアント端末的発想のデジタルガジェットにもっと注目が集まってもいいと筆者は思う。


photophotophoto 液晶ディスプレイは8インチワイドで解像度は800×480ピクセル。画面の視認性は非常によい。REDFLYのバッテリーライフは公称約8時間となっており、実際に朝から晩まで丸1日ガシガシ使ってもまだバッテリーは残っていた)。同期中はS21HT側のディスプレイはオフにできるので、こちらもバッテリー消費を気にせず1日ずっと使えた

入力端末を簡単に“取り替えられる”――コダワリ筆記具の第一歩

 REDFLYのようなモバイルコンパニオンの賢い使い方はこうだ。作業に必要なすべての情報やデータは、胸のポケットのWindowsケータイに入れてしまう。Bluetoothを使えば、有線での同期やフラッシュメモリなどを介してのわずらわしいデータ管理も必要ない。

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 そして最大のメリット(というか楽しみ)は、キーボードやディスプレイといった“入力するためのデバイス”をユーザーがその日の気分やTPOに合わせて自由に選べるということだ。

 今日は大事なプレゼンがあるので外部映像出力のある画面の大きな端末、議事録をしっかりとりたいのでキータッチが最高に気に入っている端末、休日に出かけた先での備忘録やメモ代わりなのでとにかく軽くて小さい端末、お洒落なCafeでの待ち時間に使いたいのでデザイン性に優れた端末……。

 そう、それはまるでシチュエーションに合わせて好みの万年筆やノートを選ぶ感覚に似ているかもしれない。値段もREDFLYのように2万円前後で選べるのなら、まさに「ちょっとコダワリの万年筆を集める」ような感じだろう。

 近い将来には、こんな会話が当たり前になるかもしれない。

2019年×月×日

「10年来使い込んだ愛着のあるこの赤いヤツからは、面白いほどアイデアがわいてくるし文章もスラスラと書けるんだよ。君も社会人になったことだし、お祝いに最新モデルのREDFLY2019でも買ってあげようかね」


(なお、今回の記事は最初から最後までREDFLY+S21HTで執筆したことを付記しておく)



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