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首都高最前線に潜入!! 「渋滞ゼロの10年後を目指して」+D Style モテるクルマの選び方

慢性的な首都高の渋滞。大動脈が動脈硬化を起こしていては、“モテ”クルマを駆っていても楽しくない。こんな現状を打開すべく現在建設中の都市内長大トンネル「中央環状新宿線」に潜入取材してきました。

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「ええ〜〜〜い!!うっとうしいわい!!!」

 なんて叫んだことのない人はきっと、皆無でしょう。いえいえ、お仕事や私生活のことではありません。渋滞です。特に普段マニュアル車に乗っている私にはまるで拷問。クラッチをつなぐ左足が震えるほどの渋滞は、ほんとうに「うっとうしい」ですよね。

 若年世代の男女がクルマに興味を持たなくなってきているのは、この渋滞という現象も手伝っているのでは……なんて邪推してしまうほど。確かにこんな状態ではドライビングプレジャーなんて味わえるわけがありません。仕事そのものよりも、渋滞に疲れちゃってるドライバーも、多いのではないでしょうか。

 首都圏の大動脈と呼ばれる首都高速道路、通称首都高。1日あたりの通行量は115万台、200万人を誇りますが、残念ながら今は、大動脈が動脈硬化を起こしてしまっているようです。

 いや、もう血栓と呼んだほうがいいかしら。

 首都高を使うときは、通過に相当な時間を計算しておかないと、アポイントに遅れてしまうことにもなりかねませんし、あえて首都高を使わないで一般道を通ったほうが速いこともあるほどです。

 東京においての首都高の渋滞は、「こりゃ高速道路じゃなくて、低速道路だよ」なんて古典的なオヤジギャグのひとつも飛び出すほどに、誰でも知ってる社会問題となっています。これは東京名物だからしょうがない、なんてあきらめてる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 先日、首都高の建設現場を見学させていただく機会に恵まれました。

 「え?! 首都高って、どっか工事してたっけ?!」なんて思う方もいらっしゃるでしょう。


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上落合換気所。ここから地下30メートルの現場に潜入します。

 朝から晩まで工事渋滞をしている憎き山手通りに、煙突状のものがにょっきりと作られていることを、ご存知でしょうか? 実はアレこそが工事現場の最前線であり、最新技術を投入した2007年12月開通予定である「中央環状新宿線」の工事現場なのです。

 世界でも珍しい都市内長大トンネルとなるこの「中央環状新宿線」、開通することにより、都心環状の交通を迂回・分散させ、首都高全体の渋滞が約2割、解消するそうです。

 これまた2割とはわかりにくい数字なのですが、具体的に言うと、新宿・池袋間の所要時間が30分から10分へと短縮されるそう。速い!!


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トンネル内の模型。多重構造になっていて、中の換気システムの様子がよくわかります。

 また、続く新宿・渋谷間は2009年に開通予定、これにより渋滞は半減。中央環状品川線は2013年に開通し、すべての道路が完成すると、渋滞はなんと!! ほぼ解消するそう。

 首都高速道路株式会社が宣言したのは「10年以内で首都高の渋滞をほぼ解消すること」。頼もしい計画じゃありませんか!


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作業ヘルメットをかぶって、いざ!!!

 実際、10年、なんて聞くとまだまだじゃん……なんて思ってしまいますが、とりあえず3年後に迎える「渋滞半減の日」は、わくわくしながら待てる気がします。

今はただ渋滞がうっとうしいだけの山手通りも同時に整備され、植樹や歩道も配置され、快適な道路になるそう。


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道路のひとつ上にあたる階に、巨大空気清浄機が存在します。

 しかもさすが最新建造物!! なんてうなっちゃいそうなのがこのトンネルの中に作られている「低濃度脱硝設備」なる装備。山手通りににょっきり生えたあの煙突は、実はトンネル内の排気のための換気塔なのですが、そのまま汚い空気を出しちゃいけない!! と、設置されたのがこれ。

 電気集塵機も備えたこの設備、要はトンネル内に巨大な空気清浄機が入っていると思ってください。これにより、トンネル内の空気に含まれている浮遊粒子物質(SPM)、二酸化窒素(NO2)がほとんど除去されて出てくるのです。

 文字にするとただ「へぇ〜〜」って感じになってしまうところが残念なのですが、実際のそのいわゆる「巨大空気清浄機」の大きさと迫力は、ただならぬものがありました。

 運転をはじめると、あまりの風圧に人が立っていられなくなるそう。空気清浄機部屋は、軽く家一件分くらいの広さでした。私なら住めそうなほどの巨大さです。


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開通前の『中央環状新宿線』。誰もいないトンネルは、ちょっとホラーです。

 加えて、この道路がすべて開通することにより、環境も改善されるそうです。渋滞がなくなることによって得られる効果は、
・ 二酸化炭素(CO2)→年間約40万トン削減
・ 窒素酸化物(NOx)→年間約400トン削減
・ 浮遊粒子状物質(SPM)→年間約30トン削減

 と、聞いただけで花粉症やアレルギーがラクになっちゃいそうな数字。

 低燃費走行で無駄なアイドリングが減るんですから、当然環境によくなるとはわかっていても、この膨大な数字は驚きですよね。利用者にとって、無駄なガソリン代が減る、というのも魅力ではないでしょうか。

 この「中央環状新宿線」、シールド工法と呼ばれる「掘り進みながら内壁を作ってゆく工法」や、世界トップクラスの防災設備を設置しているがゆえに、海外からの視察団も多く訪れているそう。

 今や世界各国の主要都市部でごく普通に起きる現象、「渋滞」が東京からなくなれば、その工法だけでなく道路の作り方自体に注目が集まることと思います。

 なかなか計算したとおりに行かない道路計画。
 遅いクルマも速いクルマも、上手も下手も地元も地方も同居する道路。
 そんななかで渋滞ゼロは、本当に叶うのでしょうか。
 それとも夢で終わるのでしょうか。

 どちらにしろ、今年の12月に開通したら、その1番目の結果が出ることになるのです。

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筆者プロフィール

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今井優杏(イマイ ユウキ)

2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!


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