世界一のカジノ都市、澳門(マカオ)へようこそ:+D Style 快楽旅団
目まぐるしく変貌する街・マカオ。そのシンボルでもあるカジノに、最近大きな変化が現れている。ラスベガスのホテル陣営がこぞってマカオに流入しているのだ。
秋も期待のマカオ!
すっかり間が空いてしまいましたよ。すっかり秋! 思い返せば、今年の夏は未曾有の熱帯DAYZ。35度を越す灼熱の日々。温暖化が手にとって分かるような今年の夏は見事に日本脱出失敗。三十路にて虫垂炎を患ってしまったのだ。
間が空いた所でタイミングを計ったようにサンズグループのヴェネティアンホテルが開業する。日々メールやら、郵便物でオープニングの知らせが日本そして香港の事務所にも着ている。つい最近は、あのmixiにもマカオヴェネチアンホテルのバナーが出ていた。スゴイ勢いのプロモーション攻勢である。半年行かないとすっかり変わっちゃうよと言われる上海だが、マカオにいたっては現在1週間で目の前に広がる景色は様変わりする(ちょっと言い過ぎ?)。とにかく数年前のサンズやウィーン・マカオオープン以上に成長するマカオなのである。
うちあげはマカオで!
会社で打ち上げとかでよくマカオに繰り出しカジノで勝負! ということも多々ある。香港もカジノあるでしょ? とよく聞かれるのだが、皆無。香港では法律上賭け事ができない。カジノは、設置できない事になっている。
元々賭け事の好きな華人達は、友人の誕生日に、忘年会に、結婚祝いに、勢いで……と理由をつけ、隙さえあればたちまちマカオへ足を伸ばす。筆者も香港の友人からもよく誘いがある。嫌いじゃないけどな! 香港からヘリで飛ばせば20分である。
目指すは、東洋最大級のカジノを持つ澳門葡京酒店(リスボアホテル)。伝統はあるが、「嫁を質草にしても賭けてやる!」とタバコ片手に充血させた目で打つ姿は殺気だったものがあり、近寄りがたいものだった。カジノに付き物なのが質屋である。街に目をやれば質屋の多いこと多いこと。さらには、アジア随一の歓楽街でもある。通常の高級ホテルでもサウナという名の風俗店が併設されている。
大きく変わるマカオ!
そんな修羅場が毎晩繰り広げられるマカオの賭場に最近大きな変化が現れている。60年代にマカオのカジノ運営権を持っていたハミルトン・ホー一家の独占権が失効され、新たに香港のギャラクシー社、ラスベガスのウィン・リゾートが新たに加わった。
ウィンは、ラスベガス編にも紹介したホテル王 Steve Wynn 氏が率いる名門。香港のギャラクシー社は、ヴネティアンホテルなどを経営するラスベガス・サンズ社と組み、ラスベガスのホテル陣営がこぞってマカオに流入している。
ラスベガスとマカオは、対照的だ。
今やラスベガスの各ホテルはレストランやショーを経営の中核、つまり大きな利益を生み出す重要な施設と位置づけ、その内容を競うようにグレードアップさせショーがメインとなったエンタメの街へと生まれ変った。
一方、すでにラスベガスではカジノは頭打ちで、彼らは新しい場所を求め遠くアジアのマカオまでやってきたというわけだ。現にマカオはカジノで一番稼ぐ街に踊り出たのである。すでにサンズホテルは、550億円の投資を持ってスタートしたが、わずか半年でリクープしたというから、寝食を忘れ殺気立った雰囲気で賭け事に没頭するはずだ。マカオに行けば、かつてのラスベガスの風情が楽しめるはず。
しかしラスベガスからやってきた新興ホテル群は、カジノだけではなく、商業施設やショーにも力を入れるようである。
なんだ! マカオってカジノだけのやさぐれた街なのか? とお思いのあなた。実は、街を歩けば世界遺産が34カ所もある風光明媚な場所である。ようやく次回から素敵な場所を紹介しようと思う。
ロケ地:マカオ
著者紹介
猪蔵(いのぞう)
株式会社ヒマナイヌ 取締役副社長いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野編集者兼古物商。大学在学中より映像編集をはじめる。傍ら、株式会社まんだらけの店頭公開業務に取締役として従事。公開後、株式会社イマジカに移籍し、ソフトウェア開発を行なう。また映像専門誌「DVJ」編集デスクも務める。2003年、株式会社ヒマナイヌを起業。現在は東京麻布十番のカフェ縁縁を経営他、投資会社・株式会社アストリックス・キャピタル・パートナーズの取締役に就任。一瞬香港在住。プランニングを中心に映像に関するライティングや著書、TV番組の構成も手がけるなど多方面に活躍中。「人への思いやり」や「おもてなし」をテーマに頓知の利いた商品を世に送り出そうと奔走中。
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