タイヤ以外の安全も――プロに教わる“タイヤの安全”その2:+D Style モテるクルマの選び方(2/2 ページ)
前回に引き続き、ブリヂストンの「タイヤセーフティードライビングレッスン」の様子を紹介しちゃいます。タイヤ以外の安全も学べるこのイベント。なにやら大仏様の頭みたいなヘルメットを渡されて……?
インストラクターの運転する車に乗り込み、「ハイ、これを抱いてください」と渡されたのはカワイイくまちゃんのぬいぐるみ。はーい、と気軽に受け取るやいなや、ずし〜〜ん!! これが重いのなんのって……。
聞けば10キロ――約1歳の子供さんと同じ重さのくまちゃんだそうな。このくまちゃんを抱いて、時速5キロからの急ブレーキを体験します。
時速5キロというと、大体スーパーの駐車場内でのスピードぐらい……なんだ、大したことないな……なんて油断しながら、取材のために写真を撮っていた私。
ところがその瞬間、キュ!!! と踏まれたブレーキに大きく体を前方に振られ、軽くグキッと首を痛めてしまいました。もちろん私はシートベルトを着けていたにも関わらず、です。そして想像を絶するほどの衝撃に、膝に置いていたくまちゃんは、シートと私の膝との間に落ちてしまいました。これが本物の赤ちゃんだったら……想像すると思わず、ぞ〜〜〜っっ!!
実は急ブレーキの衝撃というものは、時速5キロでも15キロでも45キロでもほぼ変わらないのだそう。ちょっとした距離だから大丈夫、なんて子供さんを抱いたままクルマに乗るのは、本当にリスクの高いことなんですね。
その後、テントに戻ると、なんだか大仏のような、金属がたくさんくっついた、世にもブサイクなヘルメットを手渡されました。
これがまた重いのなんの。かぶってみたなら、首が自立しません。一度どっちかに傾いちゃったら、自力で戻すことなんてゼッタイに無理!
そう、これは子供の頭の重さを体感できるヘルメットなのです。これをかぶってもし、急ブレーキを踏まれたならば、自分のアタマの重さに首が耐えきれず、脊椎を損傷してしまうでしょう。
さて、チャイルドシートのシートベルトは、子供とベルトの隙間に大人の指が2本入るくらい締めるのが望ましいといわれています。それは多分、皆さんの想像以上にタイトです。
また、チャイルドシート自体も、強く引っ張ってみて設置した座席から5センチ以上浮かないように、とされていますが、走行中の振動などでどんどん緩んでいきます。定期的な締め直しが必要なのです。
子供をチャイルドシートに乗せると泣いてしまってかわいそうだから、チャイルドシートは使わない、という方もいらっしゃると聞きます。また、チャイルドシートは法律だから一応適当に付けてる、という方もいらっしゃると聞きます。
しかし以前、私がチャイルドシート指導員講習を受けた時に、JAFの方がおっしゃっていました。
「いくら大人の力でも、交通事故の衝撃から子供を守ることは不可能です。衝突した瞬間には何トンもの力がかかります。それは絶対に腕では支えきれません。もし、どうしてもチャイルドシートがつけられない状態で子供を乗せなければいけないなら、子供さんに対して『ごめん! こんな怖いことをしてしまって』と謝ってください。そしてチャイルドシートに乗せるとき、『窮屈な思いをさせてごめんね』なんて思わないで、『安全でよかったね』と思ってください」
とあるレーシングドライバーは、自分の子供をチャイルドシートに乗せるとき、「パパがお仕事で乗ってるシートみたいだね、かっこいいね!」と言い続けたそう。今はむしろ自分からチャイルドシートに進んで座るそうです。
事故は自分の不注意だけで起こるものではありません。ほかの車に巻き込まれることだってあるのです。そんなとき、車内の子供のリスクを少しでも軽減できるのは、大人しかいません。
チャイルドシート。きちんと装着しましょうね!!
筆者プロフィール
今井優杏(イマイ ユウキ)
2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!
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