ペンタックス、一期一会の写真を楽しめるデジタル一眼「K-x」
エントリー向けながら、上位機種に迫るデジタル一眼レフ「K-x」をペンタックスが発売。「クロスプロセス」をデジタルで楽しめる機能も備えた。
PENTAXは9月17日、デジタル一眼レフカメラ「K-x」を10月中旬より販売開始すると発表した。価格はオープンで、「smc PENTAX-DA L 18-55mm F3.5-5.6 AL」が付属するレンズキットの実売想定価格は6万9800円、加えて「smc PENTAX-DA L 55-300mm F4-5.8 ED」も付属するダブルズームキットの実売想定価格は8万9800円。ダブルズームキットに同梱される「smc PENTAX-DA L 55-300mm F4-5.8 ED」は新レンズだが、単体での販売は行われない。
登場時に「APS-Cサイズの撮像素子を持つ製品中で世界最小」をうたったエントリーモデル「K-m」をベースにしながらも、新型撮像素子やハイアマ向け機種「K-7」に採用された画像処理エンジン「PRIME II」などの搭載によって、上位機種に迫る高性能を実現した。
撮像素子は新開発された有効1240万画素のCMOSセンサーで、サイズは23.6×15.8ミリのAPS-Cサイズ。ISO感度は常用域でISO200〜6400までが選択可能で、カスタム設定時にはISO100/12800までの減感/増感も行える。高速な画像処理が行える「PRIME II」の搭載もあり、連写性能は最高4.7枚/秒(JPEG記録時。最大17枚まで)を実現している。シャッタースピードは最高1/6000秒まで上げることが可能で、ユニットは10万回の動作テストをクリアしている。
ライブビュー機能も備える。ライブビュー時のピント合わせはコントラストAF、顔検出AF、位相差AFの3種類から選択でき、顔検出AF利用時には最大16人までを認識する。最大1280×720ピクセル/24fpsのハイビジョン動画撮影機能も用意されている。動画コーデックはMotionJPEGで、保存時の拡張子は.AVIとなっている。CCDシフト式の手ブレ補正機能“SR”(Shake Reduction)はK-mに引き続き搭載されており、はシャッタースピード約4段分の補正効果を持つ。
「トイカメラ」や「レトロ」などのデジタルフィルターが用意されるのはK-mと同様だが(種類は14種類から16種類に増加している)、新たにフィルムカメラの現像時にあえて通常とは異なる現像液を使うことで色の変化を楽しむ「クロスプロセス」の処理をデジタルで再現する「クロスプロセスモード」を搭載した。
クロスプロセスモードでは、トーンカーブ、彩度、コントラストなどのパラメータをシャッターごとにランダムに設定して適用するため、常にオンリーワンの写真が撮影される。ライブビュー時も有効だが、液晶画面に映し出されているのは既に撮影が行われたひとつ前のパラメータなので、どちらにしても一期一会の写真を楽しめる。クロスプロセスモードは動画撮影にも適用できる。
AFは11点ワイドAF(SAFOX VIII、中央9点はクロス)で、ファインダーの視野率は約96%。モニターは2.7型/約23万画素のTFTカラー液晶を搭載する。電源は単三形乾電池4本(リチウム/アルカリ/ニッケル水素対応)で、リチウム電池利用時の撮影可能枚数は約1900枚(CIPA規格 ストロボ未発光)。サイズは約122.5(幅)×91.5(高さ)×67.5(奥行き)ミリ、約515グラム(本体のみ)。
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