裏面照射CMOS採用、暗闇に強くなった「CX3」
リコーのコンパクトデジカメ「CX」シリーズ最新作は「CX3」は裏面照射CMOSを搭載、暗闇に強くなった。また、「GR DIGITAL III」と同様のノイズリダクションシステムも備えた。愛猫を驚かせずに撮影できる、「猫撮影」モードも。
リコーは2月3日、コンパクトデジタルカメラ「CX3」を2月19日より販売開始すると発表した。価格はオープンで、実売想定価格は4万円台半ば。
同社製品の中ではスタンダードモデルに位置づけられる「CX2」の後継製品で、新たに1/2.3型 有効約1000万画素 裏面照射型CMOSセンサーを搭載、同時にノイズリダクション機能も強化が進められ、暗所撮影に強くなった。
通常、CMOSセンサーは受光面の手前に配線が位置するため、レンズを通して入り込んだ光の一部が配線によって遮られてしまうが、裏面照射型CMOSセンサーは配線と受光面の位置を逆とすることで効率良く光を受光面に当てることができる。これにより、感度向上やノイズ低減が見こめ、低照度環境下での画質向上につながるとしている。
ノイズリダクションについては、デジタルデータとして出力する前の段階、画像処理エンジン内で処理を行う「GR DIGITAL III」と同様の構造とすることで、高感度撮影時のノイズ低減を果たしている。効果については「OFF」「強」「弱」に加え、ISO感度に応じた処理を行う「AUTO」、画像データのノイズ分布を解析して最適な処理を行う「MAX」と合計5種類から選択できる。
撮影機能としては、カメラが撮影シーンを認識してポートレート/スポーツ/夜景ポートレート/遠景/マクロなどのシーンモードを切り替えるシーン認識モード「シーンオートモード」を搭載した。最大8人まで検出し、AF/AE/ホワイトバランスなどの調整を行う、顔認識機能も備えている。
シーンモードにはポートレート/スポーツ/夜景ポートレート/夜景/ミニチュアライズ/遠景/高感度/ハイコントラスト白黒/マナー/ズームマクロ/文字/斜め補正などのほか、猫の顔を検出し、かつ、猫を驚かせないためにフラッシュ/AF補助光/操作音をオフとする「ペット」が用意される。
露出の異なる2枚の写真を連続撮影して合成することで、ダイナミックレンジ拡大効果を付加できる「ダイナミックレンジダブルショット」は5段階に調整でき、また、どの領域の輝度優先するかの詳細設定も可能となった。
連写機能はCX2から強化され、最大画素(10M)でも最高約5枚/秒の撮影が可能なほか、シャッターを放す直前の連続画像を記録する「M連写プラス」には、約3秒で15枚の10メガ記録を行う「M連写プラス(9M)」と約0.9秒で26枚の2メガ記録を行う「M連写プラス(2M)が用意される。1秒間で120枚(120コマ/秒)あるいは2秒間で120枚(60コマ/秒)の超高速連写も行える(いずれも画像サイズは640×480ピクセルに固定)。
レンズはCX2同様の35ミリ換算28〜300ミリ 光学10.7倍ズームレンズ。画像処理エンジンも同様に「SmoothImagingEngineIV」を搭載し、1280×768ピクセルのハイビジョン撮影機能も備える。背面液晶は3型(92万画素)で、サイズは101.5(幅)×58.3(高さ)×29.4(奥行き)ミリ、約185グラム(本体のみ)。
新製品の発売を記念して、販売開始前に製品を体験できるセミナーが開催される。2月11日および14日に東京・銀座の「RING CUBE」で製品説明を受けた後に機材が貸し出され、自由に銀座の街を撮影できる。また、貸し出しのみのサービスも2月4日より18日の間行われる。セミナーおよび貸し出しサービスについての詳細は同社Webサイト参照のこと。
関連記事
- 10倍ズームになったCMOSセンサー搭載コンパクトデジカメ「CX2」
リコーが「CX1」の後継機種「CX2」を発売する。CMOSセンサーや画像処理エンジンは継承しながらレンズを10.7倍と高倍率化したほか、連写性能などを向上させた。 - ねとらぼ:リコー「GR BLOG写真展」 トラックバックで寄せられた写真を展示
「GR DIGITAL」シリーズ公式ブログ「GR BLOG」にトラックバックで寄せられた写真を展示する写真展「GR BLOG写真展」が開かれる。 - リコー、「GR DIGITAL III」にファッションブランド“STUSSY”とのコラボモデル
リコーは、同社製デジカメ「GR DIGITAL III」をベースとしたスペシャル仕様デザインモデル「GR DIGITAL III × STUSSY」を発売する。(2009/12/21) - 永山昌克インタビュー連載:ユニット交換デジカメは成功するか?――リコー「GXR」開発者に聞く
リコー「GXR」は、レンズと撮像素子、画像処理エンジンをまとめてユニット交換できるコンパクトデジカメだ。レンズ交換ではなくユニット交換を採用した狙いは何か。商品企画の担当者に話をうかがった。 - リコー、「GR DIGITAL III」機能拡張ファームウェア第1弾を提供
リコーが「GR DIGITAL III」用機能拡張ファームウェアの提供を12月1日より開始する。外部フラッシュ「GF-1」対応などの機能拡張が行われる。 - レビュー:明るい単焦点レンズを持つスナップデジカメ――リコー「GR DIGITAL III」
写真愛好家層を中心に根強い人気を誇るGR DIGITALの三代目「GR DIGITAL III」が発売された。本物志向のマニアックな雰囲気はそのままで、レンズがより明るくなり、液晶モニタが大きく精細になった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.