いま、普及価格帯の「ビデオカメラ」を選ぶ理由:フルHDビデオカメラ新時代(1)(2/2 ページ)
映像はビデオカメラで撮るもの――デジカメやデジタル一眼の動画対応によってこの認識は古いものとなった。しかし、10万円ほどの普及価格帯のビデオカメラを選ぶ理由は確かに存在する。
普及価格帯に属するもうひとつのモデルこそ、本命としてチェックしたい製品だ。サイズがぐっとコンパクトなので、まず手に取りやすい。加えて、今年の春モデルは、高度なシーン認識機能が多くのメーカーで採用されるなど、カメラ任せでの撮影の精度が高められている。
マニュアル撮影のためのボタンやスイッチは極力見えないよう工夫されているし、自動機能の動作を明示することで、「カメラはちゃんとお子さんをキレイに撮っていますよ」と安心感を与えてくれる製品もあるくらいだ。さらに、昨年モデルでは上位機のみで採用されていた、高画質を実現するための技術がこのクラスにも盛り込まれ、絶対的な画質の差が上下間でぐっと縮まってきた。それでいて価格は当然上位機よりも安価に抑えられているのだ。
型落ちのビデオカメラは「買い」か?
ここで価格の安さを優先して選ぶのなら、型落ちで安価になった2009年モデルが候補に入るかもしれない(無論店頭在庫のみになるだろうが)。確かに上位機を狙うのであれば、新製品との違いに納得できるならという条件つきで、有力な選択肢のひとつになりうるのだが、普及価格帯の製品を狙うのなら、可能な限り今年のモデルを選びたい。
「モデルチェンジごとに製品の機能や性能は向上するものだから、最新の製品のほうが満足度が高い」のは当たり前なのだが、とくに今年の春モデルでは、前述のとおり性能や使い勝手の向上が著しく(特に後者については購入後の満足感に直結する)、新旧モデル間には、価格差以上の違いが確実にあるからだ。決して安い買い物ではないからこそ、より簡単・確実に撮れる製品を選びたい。
それでもビデオカメラは高価だという人にはこちらも
デジタル一眼はもう買うことを決めたし、その上、10万円もするビデオカメラは買えない、というのであれば、価格をぐっと抑えたクラスも検討してみてはいかがだろうか。MPEGカメラなどといわれる、スナップ撮影を主眼に置いたグループだ。
代表的な例として三洋電機の「Xacti」シリーズを挙げると、一般的なAVCHDビデオカメラの半額以下でありながら、フルHDの動画撮影が可能な製品が「DMX-CG110」「DMX-SH11」など多く用意されている。
もちろん、本稿で言及しているビデオカメラとはまったく性格の異なる製品であり、同等の画質や使い勝手を得られるわけではないが、そもそもなぜ動画を撮りたいのか、どんな画質なら満足するのかと突き詰めて考えると、このクラスの製品がもつ意義を見出せるハズだ。それに、圧倒的な小型軽量化を実現しているものが多いから、気軽に持ち歩けることが何より重要だと考えている人には、価格をさておいても最良の選択肢となりうる。
以上、フルHDの動画撮影をめぐる状況を簡単に見つつ、ビデオカメラをあえて選ぶ際のポイントについて考えてきた。次からは、各メーカーが普及価格帯の製品に対して具体的にどんなコンセプトを持ち、どんな機能や性能を盛り込んできたかを、並べて試用した印象をまじえながらお伝えしたい。
モデル:倉岡生夏(くらおか きなつ)
1991年7月17日生まれ、東京都出身、AB型。チョコレート大好き(1日約1キロ食べています)! 動画共有サイト「zoome」で「チョコ姫★倉岡生夏」ムービー日記更新中
チョコ姫★倉岡生夏:http://zoome.jp/kinatsu/
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