デジカメのデジタル家電化はどこまで進むか:編集長に聞く(3/3 ページ)
デジカメにおける顔検出やシーン認識などは一般化し、最近ではGPSや無線LANなどデジタル家電的な機能やサービスに対応する製品も増えた。そうした流れはどこまで行くのか?
コンパクトデジカメはどうなる
ITmedia: コンパクトデジカメの市場規模が縮小しているという統計結果が出ました(2009年度CIPA統計調査では、レンズ一体式デジタルカメラの総出荷数は前年比70.9%の約11億6200万台。2008年は前年比101.4%の約16億3900万台)。景気動向に左右される側面があるともいえますが、次第にエントリー層も取り込みつつあるデジタル一眼レフ、高画素化・高機能化が進むケータイカメラ。上から下から攻められ、コンパクトデジカメの市場はなくなってしまうのでしょうか?
渡邊: レンズを一体化したコンパクトデジカメの本質は「手軽にきれいな写真が撮れる」単機能さにあります。一般的にシンプルな道具へのニーズが尽きることはありませんから、コンパクトデジカメへのニーズもなくなることはないと思っています。
デジタル一眼との比較でいえば、レンズと本体が一体化しているからこそできることがたくさんあります。手のひらサイズの超高倍率ズーム機といった小型化や、防水耐衝撃などのタフネスさ、AFを含めた高速処理などはコンパクトデジカメの特徴を生かしたからこそ実現した性能・機能です。
コンパクトデジカメには、シンプルさに特化した道具としての道が1つ。写真を撮って、それを活用するという先鋭的なデバイスとしての道がもう1つ。これだけデジカメが普及している今だからこそ、背面液晶で見るだけではなく、ネットワークを介して見てもらう、共有するなど、撮影したデータを活用することがより重要になるでしょう。
デジカメプラスでは、カメラをコミュニケーションの手段であったり、家族の成長の記録であったり、自分の生活を豊かにするプラスαの要素として考える人に向けて中身を作っていきたいと思っています。
ITmedia: カメラがある生活、という感じでしょうか?
渡邊: カメラが生活、ではなく横にカメラがある生活を応援します、というイメージです。カメラ単体の話題ではなく、どんなふうに撮影するのか、撮った写真をどう活用していくのか。そうした観点から、カメラのある生活を紹介、提案していきます。デジカメプラスを楽しみにしていてください。
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