F1.8レンズに0.17秒“最速AF”、高機動型コンパクトキヤノン「PowerShot G15」
キヤノンのハイエンドコンパクト「PowerShot G」に、機動力を重視した「PowerShot G15」が登場する。F1.8-F2.8の明るいレンズに0.17秒“最速AF”、ボディも小型化しており、高画質を携帯できる本格派となっている。
キヤノンは9月15日、コンパクトデジタルカメラ「PowerShot G15」を10月中旬より販売開始すると発表した。同社オンラインショップでの価格は5万9980円。
2010年9月に発表された「PowerShot G12」の後継に当たる製品。PowerShot Gシリーズとしては、1型センサーを搭載する「PowerShot G1 X」が用意されているが、G1 Xは大判センサー搭載の画質重視モデル、新製品は小型なボディに高速AFシステムの搭載などもあり、携行性重視モデルとそれぞれが位置づけられる。
AFは一般的なコントラスト検出式を採用しているが、ワイド端(28ミリ相当)で約0.17という同社コンパクトデジカメにおける最高速を達成している。これはG12比で約1.5倍のセンサー読み出し、レンズ軽量化によるフォーカスレンズの移動速度向上、AF駆動モーター強化、AFアルゴリズム改善と駆動シーケンス見直しなど、さまざまな改善にて実現されている。
撮像素子は1/1.7型 有効1210万画素 高感度型CMOSセンサー(G12は1/1.7型 有効1000万画素 高感度CCD)。サイズと画素数は既存製品「PowerShot S100」と同一だが、新設計とすることで感度やS/N比を含めた全体的な性能向上を果たした。画像処理エンジンは最新の「DiGiC 5」を搭載しており、ISO感度は常用範囲でも最高ISO12800(下限はISO80)に達している。連写も「ハイスピード連写HQ」ならばフル画素で約10枚/秒の撮影が可能だ。
レンズはG12と同じ35ミリ換算28〜140ミリ相当の光学5倍ズームレンズだが、F値はG12のF2.8-F4.5から、F1.8-F2.8へと非常に明るくなった。G1 Xで指摘されることの多かった近接撮影は、オート/マクロいずれの撮影モードでも1センチまで接近できる仕様となっている。
RAW撮影におけるマルチアスペクト対応も新機能のひとつ。センサーのアスペクト比は4:3のためデータ自体は4:3のアスペクト比だが、記録時にアスペクト比の情報を合わせて保存することで、16:9/4:3/3:2/1:1/4:5の各アスペクト比によるRAW撮影が可能となった。なおカメラ内RAW現像機能は搭載しない。
背面液晶は3型(92万画素)で、近年のPowerShot Gシリーズが採用していたバリアングル式とは異なり固定式となっている。ボディサイズも106.6(幅)×75.9(高さ)×40.1(奥行き)ミリと、背面液晶を固定式としていたPowerShot G9(106.4×71.9×42.5ミリ)に近いサイズまで小型化されている。
別売オプションとしては、58ミリ系フィルターを装着するためのフィルターアダプター「FA-DC58D」やテレコンバーター「TC-DC58E」、コンバージョンレンズアダプター「LA-DC58L」のほか、同社オンラインショップ限定品として本革の速写型ケース「PSC-G2BK/BW」(黒/茶 いずれも7980円)が用意される。
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