新センサー搭載で画質向上 無線LANと静電タッチパネルも備えた「PowerShot S110」
F2.0から明るいレンズを備えた高級コンパクトが新型センサーを搭載して、「PowerShot S110」へと進化。無線LANとタッチパネル液晶によって、利便性と操作性の向上も果たした。
キヤノンは9月19日、コンパクトデジタルカメラ「PowerShot S110」を10月中旬より販売開始すると発表した。価格はオープンで、同社オンラインショップでの販売価格は4万9980円。
「PowerShot S100」の後継機種で、定評あるF2.0-F5.9 35ミリ換算24〜120ミリ光学5倍ズームレンズはそのままに撮像素子を新型とするほか、無線LANとタッチパネル液晶を導入することで画質と利便性、操作性の向上を果たした。
撮像素子は同時発表された「PowerShot G15」と同様の1/1.7型 有効1210万画素CMOSセンサーで、サイズと画素数はS100と同等ながら高感度型とすることで暗所撮影に強くなった。また、S/N比を含めた全体的な性能向上も果たしている。
画像処理エンジンには「DiGiC 5」を組み合わせており、最高ISO12800の超高感度撮影、ワイド端(24ミリ相当)で約0.25秒という高速なAFも実現。連写についてもフル画素で約10枚/秒の撮影が可能となっている、加えてシーン認識オートである「こだわりオート」のシーン判別数はS100の32から58へと大幅に増加した。
なお、レンズの構成は両面非球面UAレンズ1枚、両面非球面レンズ1枚、片面非球面レンズ1枚を含む6群7枚構成で、手ブレ補正機構としては対象シーンやシチュエーションに合わせてカメラが最適な補正効果を決定する「マルチシーンIS」も搭載する。最短撮影距離はオート/マクロともに3センチ。RAW撮影も可能だ。
利便性を高める機能として無線LANも搭載した。無線LANを利用して行えるのは、、「スマートフォンへの画像転送」「CANON iMAGE GATEWAYを経由してのSNS投稿」「カメラ同士の画像シェア」「パソコンへの無線転送」「対応プリンタからのワイヤレスプリント」の5つ。先行して販売されている無線LAN搭載コンパクトデジカメ「IXY 430F」と同じく、スマートフォンからカメラへ直接アクセスするダイレクト接続はiOS/Androidを問わずに行える。
これらに加え、スマートフォンとの連係機能として、スマートフォンに搭載されているGPSを利用し、タイムスタンプをもとにPowerShot S110で撮影した画像のEIXFへ、ジオタグを付加する「GPSモバイルリンク」も利用できる。ワイヤレスプリントについては、DPS over IP対応機器での印刷を可能とするもので、同社製品「SELPHY CP900」が対応している。
背面液晶のサイズは3型(約46万画素)で、同社コンパクトデジカメとしては初めて静電容量式のタッチパネルを採用した。静電容量式は感圧式に比べて微妙なタッチでの操作が可能となる特性を持つため、より機敏な操作を楽しめる。鏡胴付け根のコントローラーリングは継承されており、加えて、カメラを構えた状態にて右手親指で画面端に触れると各種機能のアイコンが表れ、その状態で左手を使ってリングを回すとパラメータ変更が行える新インタフェース「タッチアンドセレクト」が導入され、より快適な操作を実現している。
本体サイズは98.8(幅)×59(高さ)×26.9(奥行き)ミリ、約198グラム(バッテリー、SDメモリーカード含む)。本体カラーにはブラックとシルバーのほか、ホワイトも用意する。専用オプションとしてはショルダーストラップ付きの速写型ケース「PSC-S1BK/BR/RE/WH」(ブラック/ブラウン/レッド/ホワイト)が用意される。
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