第11回 望遠マクロで迫る最短47センチの世界――シグマ「APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM」:デジタル一眼レンズの楽しみ(2/2 ページ)
誰でも手軽に楽しめる身近な被写体でありながら、意外と奥が深く、センスや技術が問われるのが花や昆虫のクローズアップ撮影です。シグマの望遠マクロを使って、そんな接写に挑戦してみました。
撮っても撮っても飽きないマクロ撮影の沼
次に、都立浜離宮恩賜庭園を訪れました。季節ごとにさまざまな植物が楽しめる場所で、ちょうど今はコスモスの花が見ごろです。この日は快晴。平日にもかかわらず、大きなカメラを担いだ大勢の人たちでにぎわっていました。下の写真は、カメラを低い位置に構えて背景を青空にして写したもの。外部ストロボを発光させ、鮮やかな色彩感を際立たせています。
続いて、調布市にある神代植物公園に向かいました。浜離宮庭園と同じく、花好きの人にはおなじみの場所。ここもやはり、たくさんのカメラマンでにぎわっています。そのほとんどは年配の方。中には、写真サークルのようなグループで訪れている人たちも見受けられます。花のマクロ撮影は、年齢や性別を問わず誰もが気軽に楽しめる趣味として最適だからでしょう。
下の写真は、部分を切り取るような構図を選ぶことで、植物のフォルムを強調したもの。180ミリという長めの焦点距離によるミクロな視点は、肉眼とはまったく異なる見え方となり、ファインダーをのぞいているだけでも新鮮な発見があり、ちょっとした興奮さえ覚えます。
さらに造形の面白さを引き立てるために、次の写真ではモノクロモードを選んでみました。ライブビューを利用すれば、モノクロの状態をリアルタイムで確認できるのが便利です。
被写体はダリアの花。密集した小さな花びらは、貝殻のようにも、あるいはガラス細工にようにも見えます。整然と並んでいるようで、よく見ると、ひとつひとつの花びらの形が微妙に異なっている点もユニークです。
見れば見るほど興味が深まり、撮っても撮っても飽きない、そんなマクロ撮影の沼に、私自身がはまりつつあるのかもしれません。そういえば、最初は「重すぎる!」と感じたこのレンズの重量は、撮影に夢中になるほど、いつの間にか気にならなくなっていました。
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