デュアル手ブレ補正と進化した4K PHOTOに注目せよ――パナソニック「LUMIX DMC-GX8」(2/3 ページ)
パナソニックのミラーレス一眼のラインアップに、高機能モデル「GX8」が加わった。中上級者向けの、趣味性が高いカメラに仕上がっている。
とうとうレンズ+ボディ内の6軸補正に
さてGX8といえば多くの人が注目する手ブレ補正の話。
GX7では2軸だったボディ内手ブレ補正が4軸に進化し、さらにレンズ内補正と組み合わせたDual I.S.(合計6軸!)が可能になったのである。レンズ内手ブレ補正とボディ内手ブレ補正が連動することでより大きな補正効果を目指した設計だ。
ただし、今のところ対応するレンズは6本だけで、ファームウェアのアップデートが必要だ。現在の補正状況は画面でわかる。バリエーションはこんな感じだ。
手ブレ補正機構は内蔵しているが「Dual I.S.」に未対応のレンズを装着してみた。右上に「LENS」と表示される。ただ将来ファームアップで対応する可能性があるため、アップデート情報をマメにチェックしたい
じゃあ実際に使ってみてどうかというと、Dual I.S.、レンズ内手ブレ補正(レンズによって補正力は違うけど)のみ、ボディ内手ブレ補正のみの3パターンで極端な違いはないけれども、ボディ内手ブレ補正がかなりありがたいのは確かだ。
ちなみに、4K動画時はボディ内手ブレ補正は働かず、レンズ内補正のみになる。動画メインで考えている人は頭に入れておきたい。
手ブレ補正に目がいってしまうがイメージセンサーも今回から新型に。従来の有効約1600万画素から画素数を増やした有効約2030万画素になっている。マイクロフォーサーズにも2000万画素の波である。
1600万画素のセンサーに比べてノイズが増えていることもなく、画質に問題はなし。高感度時の絵も悪くない。今後2000万画素に徐々に移行していくんだろう。
ISO感度は200からだが、拡張ISO感度としてISO100も選べる。ISO100にするとハイライト部のダイナミックレンジが狭くなるので注意。最高ISO感度は25600。
シャッタースピードは最高で1/8000秒と十分なレベルなるも、電子シャッターを使うと1/16000秒まで上げられる。
4K PHOTOはドライブモードの中にセットされた
パナソニックは4K動画のバリエーションとして4K PHOTO機能を2014年からウリにしているが、4K PHOTOを撮影モードのどこに位置づけるか、ちょっと落ち着かないところがあった。
GX8ではドライブモードの1つとして位置づけられ、単写、連写、4K PHOTO、ブラケットという具合に連写の1つとして選べるようになった。これは分かりやすい。
4K PHOTOはつまるところ「静止画として切り出しやすい設定で4K動画を撮る」機能。これで撮影したらあとでコマ送りをして使いたい瞬間を静止画として保存する。
4K PHOTOには3つのモードがある。瞬間を撮りたいなら4Kプリ連写がいい。4Kプリ連写時は常時バッファに画像が溜め込まれ、シャッターを押すと押した瞬間の前後1秒ずつ(秒30コマなので合計60コマ)が2秒の動画として記録される。これはチャンスを逃さなくていいが、バッテリーの消耗も速い。ここぞというときに使うべし。
4K PHOTOで撮った写真。ちゃんとEXIF情報が付くのもうれしい。4K PHOTOを使うとシャッタースピードが早めになる。絞り優先オート(F4.7、1/1000秒)、ISO1250、レンズ:LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.、焦点距離:116mm
通常の連写はAF追従で秒6コマ、フォーカス固定だと秒約8コマ、電子シャッターにすると最高で約秒40コマの撮影が可能だ。
4K動画はMP4形式で100Mbpsである。
まあ、GX8は携帯性という意味ではGX7より後退したけれども、今はEVF搭載の超小型機「LUMIX DMC-GM5」もあるし、「LUMIX DMC-G7」という選択肢もある。おかげでGXシリーズはワンランク上にステップアップしたというところだろう。
実際、操作性も機能もGX7より強化され、ハイエンド機に近くなった。GX7が初心者から中級者向けだとすれば、GX8は中級者から上級者向けの趣味性が高いカメラであり、一足先に次への一歩を踏み出したマイクロフォーサーズ機なのである。
(モデル:伊藤千晶 オスカープロモーション)
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