出版業界が大同団結、3万冊の雑誌を被災地へ

富士山マガジンサービスは、東日本大震災で被災した宮城県と福島県、岩手県内の避難所約1000カ所に対し、出版各社や業界団体の協力の下、雑誌など3万冊を寄付、4月6日に現地への搬送が始まる。

» 2011年04月06日 14時40分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

出版業界が団結

 富士山マガジンサービスは4月5日、東日本大震災で被災した宮城県と福島県、岩手県内の避難所約1000カ所に対し、雑誌1万5000冊を寄付することを明らかにした。同時に、ネットオフ、絵本ナビなどと協力し、3社の在庫などから集まったコミック・書籍・絵本1万5000冊も併せて送付、合計3万冊が被災地に届けられる。

 雑誌1万5000冊は、同社からの呼び掛けに対し、産経新聞社、扶桑社、メディア・ファクトリー、マガジン・マガジン、英和出版社など23社が賛同を表明したことで「お絵かきメイト」「MAMOR」「ダ・ヴィンチ」など92タイトルが集まった。被災地へは、書籍・コミックが約5000冊、絵本・児童書が約1万冊、一般誌のほか文芸誌、言論誌、パズル・クロスワード雑誌や子供向け雑誌、災害時の自衛隊の活動などを紹介する専門誌を含む各種雑誌が1万5000冊程度送られる予定。

寄付される雑誌/書籍/コミック・絵本3万冊の流れ

 今回の取り組みは、前衆議院議員の大塚拓氏と藤沢久美の「被災地の避難所では、生活必要物資は届くようになってくる中、避難の長期化に伴い、精神的に苦しい生活を余儀なくされている。心の支えに書籍や雑誌を届けられないか」という呼び掛けに対し、雑誌では富士山マガジンサービス、書籍・コミックではネットオフ、絵本では絵本ナビが賛同し、各業界関係者へと支援の輪を広げたもの。

 膨大な雑誌などの保管/仕分/積み込み作業は、埼玉県入間郡にある富士山マガジンサービスの配送センターの1つ「ニューブック」が倉庫を提供。埼玉から各県への運搬は埼玉県トラック協会が協力し、4月6日に3台のトラックで現地に出発する。最大の課題だった現地での物流は、自民党東日本巨大地震・津波緊急対策本部の救援物資対策チームが協力を申し出ている。

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