出版業界ニュースフラッシュ 2015年2月第4週

これまで消費税が課税されていなかった国境を越えて行う電子商取引に消費課税する方針が決定したことなどが話題に。

» 2015年03月02日 10時15分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

電子書籍配信、国外事業者にも消費課税へ

 国境を越えて行う電子書籍・音楽・広告配信などの電子商取引について、10月1日から消費税を課税することが閣議決定された。消費者向け取引については、国外事業者が申告納税を行う。事業者向け取引は、サービスの受け手に納税義務を課す、リバースチャージ方式を導入する。

 アマゾンなど電子書籍を海外のサーバから配信する事業者は消費税が免税となっているが、今回の見直しにより国内外の事業者間の競争条件が均等化される。

 出版界は「海外事業者に公平な課税適用を求める協議会」を組織し、法改正の必要を訴えてきた。事務局を務める日本出版インフラセンターは、「運動の成果と見ており、高く評価する」としている

講談社第76期は微減収減益、大々的な組織改編へ

 2月23日、東京・音羽の本社で株主総会および役員会を行い、第76期(2013年12月1日〜2014年11月30日)決算と役員人事などを決めた。売上高は1190億6400万円(前年比1.0%減)で、営業・経常利益は増益。当期純利益は27億5500万円(同14.3%減)で、微減収減益となった。組織の体制については4月1日に現行27局・4室・2役員直轄部体制を、12局・2室とする大々的な改編を行い、それに伴う役員と局長の新担務体制も発表した。

 売上高の内訳は、「雑誌」719億8600万円(同1.2%減)、「書籍」213億4600万円(同16.3%減)、「広告収入」55億7100万円(同21・7%減)、「事業収入」162億1200万円(同49.3%増)、「その他」8億4400万円(同10.3%減)、「不動産収入」31億0300万円(同2.8%増)。

 役員改選では、中国事業室長の白石光行氏が常任監査役に新任。持田克己、大竹永介、木村芳友の3氏が退任し顧問に就いた。

雑協、第2回「マガフェス」は年間通じて開催へ

 日本雑誌協会の雑誌価値再生委員会はこのほど、雑誌の復権を図る企画「マガフェス2015」の概要を決めた。昨年の第1回では、9社9誌の増刊を4月12日に一斉発売したが、今年は年間を通じて複数のテーマで開催。それぞれの企画で参加出版社を募り、増刊の発行などを行っていく。

 まず7月下旬〜8月下旬、「戦後70年」をテーマに実施。9月には、取次会社が主導する「to Meキャンペーン」と連動して、その拡大版を実施する。秋の読書週間とからめて、文芸誌を中心に「読書の秋」特集号も刊行する予定。

 また、年末から元日にかけて「年末年始スペシャル増刊」の発売を検討する。さらに来春、雑協を発行元とし、複数の加盟出版社が共同で編集する増刊の発売も視野に入れている。

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