エンタープライズ:ニュース 2002/07/03 23:18:00 更新


Tech・Ed 2002基調講演:マイクロソフト、「現実解としての.Net」を強調

マイクロソフトは、パシフィコ横浜で、3日間にわたって行われる技術者向けイベント「Microsoft Tech・Ed Yokohama 2002」を開幕した。

 マイクロソフトは7月3日、パシフィコ横浜で、3日間にわたって行われる技術者向けイベント「Microsoft Tech・Ed Yokohama 2002」を開幕した。会場には、.Netをベースにした開発を行うシステムエンジニアを中心に、80を超えるセッションを聴講する多数の参加者が集まっている。

「現実解となる.Net」をテーマにした基調講演は、阿多親市社長と、米国から来日した同社のプラットフォームストラテジーグループのディレクター、ブルース・バーンズ氏が行った。XML Webサービスにより異種システム間を接続するソリューションが、技術や業界内での標準化の問題といった障害を超えて、現実的に利用できる時が近づいていることが強調された。

 また、.Netを「現実解」にするための技術や取り決めとして、GXA(Global XML Webservice Architecture)による拡張機能や、Webサービスの仕様を業界横断的にテストしているWS-I(Web Services Interoperability Organization)のセキュリティ対応、同社のセキュリティ技術「Microsoft TrustBridge」などの動きにも触れているが、これについては同日行った同氏へのインタビューで話を聞いている。

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阿多親市社長

 バーンズ氏は「技術はDOSからWindows、Webサイトと進化し、XML Webサービスへと発展している」と話す。Webサービスでは、複数のサイト同士がファイアウォールを超えて、簡単に連携できることがポイントとなる。

 この日、沖電気は4つのサイトを統合して、1つの「旅行計画支援ポータルサイト」のデモを行った。ここでは、「ホテル予約サービス」サイトがBEAシステムズのWeb Logic、「航空券予約サービス」サイトはヒューレット・パッカードのhp Application Server、「レンタカー予約サービス」サイトはマイクロソフトの.Net、「決済サービス」サイトはWebLogicベースとなっている。

 Webサービスとして公開された4つのサイトが裏で連携し合うことで、ユーザーはあたかも1つの旅行計画支援の専門サイトのイメージで、ポータルから旅行手続きを済ませることができた。しかも、.Netだけでなく、WebLogicやhp Applicationと統合していることで、Webサービスのプラットフォームフリーの特色を理解することができる。

 この日、同社が今後投入する製品のロードマップについても触れている。

 クライアントについては、「Office 11」「Tablet PC」「Pocket PC Phone Edition」、サーバでは「Windows .Net Server」「TrustBridge」「SQL Notification Services」、サービスでは「.Net My Services」、開発ツールでは「Smart Device Extensions」「.Net Compact Framework」などを挙げている。

 また、.Netにおける開発ツール、Visual Studio .Netについて、「全世界で100万ライセンスを出荷した」ことも紹介された。

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関連リンク
▼Webサービスに関する仕様について(MSサイト)

[怒賀新也,ITmedia]