エンタープライズ:ニュース 2003/05/23 22:00:00 更新


「Linuxのエンタープライズ・コアへの進出を後押しする」ベリタス木村社長

2月に日本市場におけるLinux拡大戦略を発表したベリタス。木村裕之社長は「LinuxWorld Expo/Tokyo 2003」最終日の基調講演で、Linuxは第2の発展期を迎えていると語った。Linuxがエンタープライズのコアへ進出するために、同社のストレージソリューションが効率の良いストレージ管理を約束するという。

 2月に日本市場におけるLinux拡大戦略を発表したベリタスソフトウェア(ベリタス)。木村裕之社長は「LinuxWorld Expo/Tokyo 2003」最終日の基調講演で、Linuxは第2の発展期を迎えていると語った。Linuxがエンタープライズのコアへ進出するために、同社のストレージソリューションが効率の良いストレージ管理を約束するという。

 木村氏は「開発者も多く垂直分業によるコンポーネント開発の競争が激しいLinuxは、信頼性が高まっており、今後新しいテクノロジーはLinuxから登場する可能性が高い。Linuxを採用することは、新しいビジネスを取り入れるという意味でもある。その点でLinuxは重要な位置にいる」と話す。

木村氏

「同社のユーティリティコンピューティング戦略でもLinuxは柱だ」と木村氏


 同氏によると、「成長の法則曲線」に照らし合わせたLinux市場は停滞期から第2発展時期に向かっている。この法則では、急速に発展したものはその急速さゆえに低迷がおとずれる。Linuxは「今までこれほど急激な発展をしたものはなかった」(木村氏)と表現するほど、急速にフロントでの採用が進んだ。そのため、現在は停滞の時期にあたると述べる。この時期には、慎重論が台頭し投資を押さえ込もうとする圧力がかかるが、Linuxはさらなる信頼性を獲得すれば第2の成長期に入れるという。

 現在のIT市場もこの法則にたがわず、90年代のテクノロジー企業はこの低迷期に苦しみ、そのまま沈んでいったものも多かった。「Linux市場における第2発展期はメインフレーム市場への進出」(木村氏)となる。ベリタスは、Linuxがビジネスそのものに入り込むための信頼性の確保を、同社のストレージソリューションで後押ししていく考えだ。

 同社は、最近「ユーティリティコンピューティング」の実現を戦略の柱にすえた。ユーティリティコンピューティングとは、ITがビジネスサービスとしての要求に対し、確実に応えられるようになることを意味する。木村氏は「SolarisやWindowsだけでもユーティリティコンピューティングは実現できるかもしれない。だが、急成長するLinuxが加わることで、そのスピードは加速する」と話し、ベリタスがLinuxに注力する理由を述べる。

 また、Linuxが浸透すればプラットフォームの混在環境も加速する。そのため、オープンなAPIを提供する「Adaptive Software Architecture」によるマルチプラットフォーム対応を掲げる同社製品は有利に働く。

 ベリタスのLinux対応製品は、ストレージ仮想化プラットフォーム「VERITAS Foundation Suite」とクラスタリングソフト「VERITAS Cluster Server」の2製品。そして6月にはバックアップソフト「VERITAS NetBackup」が控えている。今後は、同社がUNIX情で提供しているすべての製品をLinuxに対応させていく方針だ。

「すべてUNIX上で厳しい評価の目にさらされてきた製品だ。信頼性の面からLinuxを支援していきたい」(木村氏)

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[堀 哲也,ITmedia]