エンタープライズ:ニュース 2003/06/25 16:58:00 更新


SAP、「CRM 4.0」を発表

SAPジャパンは、CRMソフトウェアの最新版「SAP CRM4.0」を、欧州、北米と同時に日本国内でも6月25日に出荷を開始すると発表した。

 SAPジャパンは6月24日、CRMソフトウェアの最新版「SAP CRM4.0」を、欧州、北米と同時に日本国内でも6月25日に出荷を開始すると発表した。CRM4.0は、業界別のソリューションを特徴としており、ハイテク、自動車、エンジニアリング、化学、医薬、消費財、小売、リース、メディア、通信、電力/ガス、サービスプロバイダーなど、23におよぶ業界のソリューションを提供している。

 同製品の業界別ソリューションは、各業界を代表する企業とSAPが協力し、SAPの開発者1000名で構成する体制で製品開発を行なってきたという。

 SAP CRM 4.0は、顧客の声を取り入れた「カスタマー・イン」のアプローチを採用しており、ベンダーが独自にリリースするプロダクトアウトの形態と比べて現実的な使い勝手が考慮されていることが特徴。また、業界特性に適合したパッケージ機能を利用できるため、導入がよりシンプルで速やかに行えること、顧客対応業務のおけるシステム変更もパラメータで対応できることもメリットという。

 こうした機能により、導入効果アップ、導入費用や期間、導入後の変化対応費用を圧縮し、高いROIを実現できるとしている。

 CRM4.0の販売目標は2003年度、国内出荷予定数は30社。出荷日となる6月25日には、12社への提供が決定している。また、具体的な推進策として、現在、CRM単体商談の比率32%を今後1年間で50%まで引き上げる。さらにSAP R/3既存顧客向けでは、国内約1100社の既存顧客のうち、現在SAP CRMを提案している比率は19%だが、これを今後1年間で40%へ引き上げるとしている。

 業界ソリューション例としては、主要顧客であるVolkswagen Groupが挙げられた。 SAP CRM4.0で追加された所有者管理や車両管理機能により、自動車業界における導入企業は、顧客管理、取引管理、購入された自動車の構成など、重要な情報をトラッキング、モニタリングすることが可能となるという。

 また、自動車メーカーはディーラー向けポータルを提供することができる。これにより、メーカーとディーラーは連携して、プロモーション活動、修理履歴の管理、スペアパーツの管理、アクセサリ・オプション品のオンライン販売と自動在庫補充といった業務を行うことができるとしている。

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