エンタープライズ:ニュース 2003/09/18 17:09:00 更新


SunNetwork基調講演でN1戦略の進展を語る

SunのN1戦略は8月のCenterRun買収により強化されたが、同社のN1担当副社長が基調講演の中で同戦略の進展について語った。(IDG)

 Sun MicrosystemsがN1戦略を打ち出してから1年半以上経過したが、同社は顧客にリーチするための取り組みを進めている。

 N1および可用性プロダクトグループ担当副社長であるデビッド・ネルソン=ギャル氏が行った「N1プラットフォーム ― 次世代データセンターのためのOS」と題された基調講演で、同氏はSunがこれまでに60社の顧客を獲得していることを明らかにした。この戦略が第3段階に入り、ネットワーク、コンピュータ、ストレージの要素を切り離し、一つのコンソールから管理するようになれば顧客数は拡大する、とSunでは見込んでいるという。

 「最終的な目標(N1)は、ポリシーをベースにしたサービスレベルの自動化だ」と、サンフランシスコで開催中のSunNetworkカンファレンスの参加者にネルソン=ギャル氏は語った。

 N1戦略の実現に向けて、Sunがどこまで到達したかを同氏は説明した。8月に買収したCenterRunにより、Sunの既存のN1 Provisioning Serverと新しいソフトウェアを組み合わせることで、システム管理者が新サービスのプロビジョニングをサーバ、データベース、アプリケーションに対して実行できるようになったと同氏は述べた。

 ネルソン=ギャル氏は、新しいWebベースのアプリケーションがN1 Provisioning Serverを通して導入される手順を、CenterRun担当社員とともにデモして見せた。Webインタフェースのウェブインタフェースでドロップダウンメニューを使い、サーバ、アプリケーション、データベースをWebベースの書店向けアプリケーションに適用することができた。

 「N1は理論ではない」ということを実証するため、Cingular Wirelessのインフラストラクチャアーキテクチャ担当ディレクターであるケビン・ヘリン氏を壇上に迎え、ヘリン氏はCingularでのN1利用について語った。

 ヘリン氏によれば、Cingularはあらかじめインフラストラクチャーを構築し、次に新しいアプリケーションとサービスをその中に導入すると述べた。同社は導入に要する期間を12週間から1週間に短縮することを計画していると語った。CungularがN1を導入する前には導入期間は20週間で、それに比べれば現在の水準は著しく向上している。

 同氏はこれによりCingularでは920台のサーバ購入が不要になったと付け加えた。

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[Scott Tyler Shafer,IDG News Service]

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