エンタープライズ:インタビュー 2003/09/18 00:36:00 更新


Interview:「生産性向上にはデスクトップアプリ以上のものが求められている」とMS Office総責任者レイクス氏 (1/2)

Office総責任者、米Micorosoftのグループ副社長ジェフ・レイクス氏が来日。10月24日に発売が近づいたOffice Systemについて聞いた。

 WPC EXPO 2003に合わせ、米Microsoftのプロダクティビティおよびビジネスサービス担当グループ副社長、ジェフ・レイクス氏が来日した。WPC開幕を飾った基調講演ではOffice Systemに対する熱意を語った同氏。Office Systemは個人の生産性向上を目的としたものから、チームそして組織の生産性を向上させるものへと進化する。

 Officeの新アプリケーション「OneNote」を誰よりも愛用しているOffice総責任者のレイクス氏に、大入りのマイクロソフトブースで、Office System、そして基調講演で言及されたセキュリティ技術などについて聞いた。

レイクス氏

非常にタイトなスケジュールながらインタビューに応じてくれたMicrosoftのグループ副社長レイクス氏


ZDNet 短時間ですがWPCの雰囲気を体験できたのではないかと思います。ご感想はいかがですか?

レイクス氏 WPCを見ると非常にエネルギーというものを感じます。ITはまだまだポテンシャルに溢れているということを実感します。

ZDNet Office SystemはOfficeの歴史の中でも大きな進化の位置にあると思います。デスクトップパッケージからシステムへの変化はどのようなインパクトを与えるのでしょう。

レイクス氏 歴史的にOfficeはデスクトップアプリケーションでした。しかし、Office Systemにおいて、個人、チーム、そして組織のためのワークスペースを提供できるシステムへと進化しました。さらなる生産性の向上を図るためには、デスクトップスイート以上のものが求められているのです。それには、デスクトップアプリケーションも含まれますし、サーバ機能に、Webサービス、そしてわれわれがOffice Systemの技術に対して投資してきたソリューションが含まれるわけです。

ZDNet 今回のOfficeではXMLサポートが盛んに叫ばれましたが、インフォメーションワーカーと呼ばれる人たちはこれを意識せずに使えなければなりません。この点でOfficeの配慮を教えてください。

レイクス氏 その通りですが、XMのキーはインフォメーションワークの改善のために、Office Systemがビジネスアプリケーションシステムやビジネスインテリジェンス(BI)、そしてプロセスへとつながることを可能にする点です。XMLをサポートしていることはユーザーには見えません。ユーザーはXMLをほとんど意識することなく、必要とする情報やプロセスに接続できるのがOffice Systemです。

ZDNet 重要なテクノロジーとしてWindows SharePoint Services(WSS)も挙げられます。日本向けの機能としてGroupBoard Workspaceというのがありますが、どういったものでしょう?

レイクス氏 これはユーザーがチームとコラボレーションして生産性を向上させるもので、WSSの中で利用できます。日本の仕事文化に特化させており、グループカレンダーや行き先掲示板、電話の伝言メモなどの機能があります。どういう風に机が置かれているのか、いつ外出し戻ってくるかを管理する行き先掲示板といった日本の仕事文化に見られる共通的な特徴をよく研究しました。WSSのデジタル機能を使って、こういった日本文化をサポートしたのです。

 これは日本で開発されています。WSSは一つのプラットフォームで、人々はこの上にドキュメントのワークスペースとか、会議のためのワークスペースなど、特定のソリューションを構築することができるわけです。GroupBoard Workspaceのサービスは、WSS上である特定のグループのためのコラボレーションソリューションを開発できるということ示しているものだと言うこともできるでしょう。

ZDNet 海外にはない日本特有のものだと考えてよろしいのですか?

レイクス氏 日本で開発されたわけですが、これはほかの国でも普及するだろうと考えています。そのため、中国、韓国、そして英語圏へ向けてのローカライゼーションを行います。ほかの国でも大いに活用できるはずです。

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[堀 哲也,ITmedia]