エンタープライズ:ニュース | 2003/12/19 01:23:00 更新 |
グリッドにロードバランシングや自動化は必須とOracleのロズワット氏
2日目を迎えたOracleWorld 2003 Tokyoでは、午前のゼネラルセッションに米Oracleでサーバテクノロジー製品を統括するチャック・ロズワット執行副社長が登場した。
12月18日、東京ビッグサイトで開幕中の「OracleWorld 2003 Tokyo」は2日目を迎えた。午前のゼネラルセッションには、米Oracleでサーバテクノロジー製品を統括するチャック・ロズワット執行副社長が登場し、Oracle 10gが実現するグリッドコンピューティングの世界をアピールした。
新しいコンピューティングのスタイルとアーキテクチャであるOracleのグリッドは、実証済みのクラスタ技術であるRAC(Real Application Clusters)によって複数のコンピュータを束ね、まるで巨大な1台のコンピュータとして扱えるようにしてくれる。コストの大幅な削減をもらしてくれるコンピュータ資源のプール、仮想化(可視化)およびプロビジョニングだけでなく、ロズワット氏が「これもOracleのグリッドに欠かせない機能」と指摘する「ロードバランシング」や「自動化」などが特徴だ。
特にロードバランシングについては、ステージでロズワット氏が、テクノロジーデモンストレーションを行っている。Oracleのグリッド上で受注処理、財務、および製造のアプリケーションが稼動していることを想定したもので、特定のデータベースサーバやアプリケーションサーバの負荷がしきい値を超えるとそれぞれ1台ずつのサーバが追加され、自動的に負荷分散が行われるOracle 10gの技術を説明した。
また、サービスレベルの維持、特に可用性に関連するのだが、Oracle Application Server 10gとOracle Database 10gを組み合わせることでフェールオーバーにかかる時間を劇的に短縮できる「フェールオーバー・ノーティフィケーション(通知)」の機能もデモされた。
実際のシステムでは、データベースだけでなく、アプリケーションが組み合わせられることがほとんど。データベースサーバが障害を起こした場合、従来であればアプリケーションサーバがポーリングによってそれを検知するまではユーザーにはエラーが返されてしまう。Oracle 10gでは、データベースとアプリケーションサーバが連携を図りながら、これまでは数分かかっていたシステム全体のフェールオーバーをわずか数秒で済ませることができるという。
アプリケーションサーバを担当するトーマス・クリアン上級副社長が来日しなかったこともあり、ロズワット氏はOracleのミドルウェア製品すべてを統合したOracle Application Server 10gについても時間を割いてさらに説明している。
Oracle Application Server 10gには、ユーザーの一元管理とセキュリティのためのインフラも含まれている。グリッドともなれば「さらにその重要さは増す」とロズワット氏。シングルサインオンの機能はグリッドに欠かせないものとなる。
これまで絵に描いた餅のように思われていたビジネス分野におけるグリッドコンピューティングだが、インタビューに応じてくれたロズワット氏は、「われわれはソフトウェアによってグリッドを実現しようという最初のベンダーだが、ストレージ、サーバ、そしてネットワークベンダーといったパートナーらと一緒にグリッドコンピューティングを実現しているのだ」と話してくれた。
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[浅井英二,ITmedia]
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