特集
2004/04/30 22:00 更新

dev Java
特集:第1回 いまから始めるEclipse−Windows、Linux対応機能ガイド (8/11)


充実する開発支援機能

 さて、ここまで1行もソースコードを記述することなく、クラスの雛形を作成することができた。ここからはコーディングを行うのだが、Eclipseでは支援するために多くの機能が用意されている。それらについて解説していこう。

  • コード補完

 ソースコードを記述する際に長いクラス名やメソッド名をタイピングしていくのは、スペルミスによるエラーの原因となりやすい。また、オーバーロードされているメソッドやあまり使わないメソッドなどでは、引数の数や順番が曖昧になることもあるだろう。コード補完機能ではキーワードの最初の数文字をタイピングしてから「Ctrl」+「Space」キーを押すことで、キーワードの候補の一覧を表示することができる。候補の表示中は上下キーでキーワードを選択でき、「Enter」キーを押せばキーワードを確定できる。また、コード補完は予約語に対しても有効となっている。

  • 自動ビルドとエラー修正支援

 Eclipseではソースファイルを保存するたびに自動的にコンパイルし、クラスファイルが生成される。エラーや警告の表示はパッケージエクスプローラーやエディタ、タスクビューなどに表示され、修正が必要な場所がひと目で分かるようになっている。また、エラーの内容によってはエディタの左端にある×印をクリックすることで修正の候補が表示され、軽微なエラーや警告であれば即座に修正することができる。

 例えば、例外を投げるメソッドを使用している時に「try-catch」構文を含めていない場合は、メソッドにthrows宣言を追加するか、コード中にtry-catch構文を追加するかの選択が行える。また、メソッド名や変数名のスペルミスと思われる状況では、正しい名前の修正候補や新たにそのメソッドを新規作成するか、といった選択肢が表示される。

  • インポート宣言の簡略化

 Javaのようにパッケージによってクラスが管理されている言語では、クラスファイルの先頭でインポートするパッケージ名を記述しなければならない。Eclipse上でコーディングを行う場合には、そのような面倒な手間を簡略化することができる。完全修飾名でのクラス名記述中にコード補完を利用することで、自動的にインポート宣言が追加されるからだ。また、エディタ上のコンテキストメニューから「インポートの編成」を選択することで、不足しているパッケージや使われていないパッケージのインポート宣言を追加、削除できる(例えば、「java.io」パッケージをインポートしていない状況で「File file = null;」と記述している場合などである)。

 なお、設定ウィンドウのカテゴリで「Java」→「インポート宣言の編成」を選択することで「java.io.*」にするまでに必要なimport数を設定できる。

  • フォーマットの統一

 複数のメンバーで開発を行っていると、括弧の位置や行の長さなどが異なるなど、どうしても違いが出てしまうものである。また、個人で開発をしていても細かなミスもあるだろう。通常のプロジェクトでは、コーディング規約などと照らし合わせて開発を行うが、上記のようなフォーマットの小さな違いについては自動的にチェックを行い、修正したいものだ。そのような場合にはエディタ上のコンテキストメニューから「ソース」→「フォーマット」を選択するとよい。あらかじめ設定したフォーマットに合うようにソースコードを修正してくれる。

 フォーマットの設定は設定ウィンドウのカテゴリで「Java」→「コード・フォーマッター」を選択すればよい。改行の位置や1行辺りのコードの長さについて設定を行うことができる。

  • リファクタリング

 開発が進んでいくにつれ、クラスやメソッド、変数の名称が適切ではなかったことに気づいた経験がないだろうか。従来であれば、検索、あるいは置換を駆使して変更を行うであろう作業も、Eclipseのリファクタリング機能を使うことで瞬時に完了する。手順は、対象となるクラスやメソッド、変数にカーソルを合わせた状態でコンテキストメニューを表示して、「リファクタリング」→「名前変更」を選択すればよい。

 名前を変更すると、参照先の名称も自動的に変更してくれる。また、メソッドシグニチャの変更やローカル変数からフィールドへの変換、フィールドのカプセル化(セッターとゲッターの生成)なども簡単に行うことができる。当然、参照先のソースコードの変更は(可能であれば)自動で行われる。

  • スクラップ機能

 何らかのロジックを思い付いたがメソッドに埋め込む前にちょっと試してみたい、といった場合がある。そのような時にはスクラップ機能が役に立つ。パッケージ・エクスプローラーのコンテキストメニューから「新規」→「スクラップブック・ページ」を選択すると、「.jpage」という拡張子のついたファイルを作成することができる。このファイルにロジックを記述し、実行したいステップを範囲選択してコンテキストメニューを表示し、「実行」を選択することですぐに実行結果を確認することができる。また、戻り値を返すコードでは、「表示」を選択することでコード実行後の戻り値を参照することができる。

  • タスクビューでの作業管理

 タスクビューにはエラーや警告の表示以外に、自分でタスクを追加しておくこともできる。エディタの左端で右クリックをして「タスクの追加」を選択するだけでよい。また、ソースコード中にコメントで「// TODO <コメント>」としてもタスクに追加される。「TODO」がタスクを追加するキーワードとなっているからだ。

 キーワードは、設定ウィンドウのカテゴリから「Java」→「タスク・タグ」を選択することで追加できる。

  • Javadocのエクスポート

 作成したクラスなどのJavadocをドキュメントとして出力する必要がある場合には、コンテキストメニューから「エクスポート」を選択する。エクスポートウィンドウが表示されたら「Javadoc」を選択し、「次へ」ボタンをクリックすることで、プロジェクト単位やパッケージ単位、あるいはソースファイル単位でのJavadocの出力を行うことができる。なお、エクスポートするためには先に述べたJavadocコマンドの設定が必要となるので注意しよう。

 以前筆者がWindows 2000環境でEclipseを使っていた際には、ソースコード中のコメントに日本語を使うと文字化けを起こすことがあった。そのような場合には設定ウィンドウを開いて、カテゴリから「フォント」を選択し、「Java エディター・テキスト・フォント」を日本語表示可能なもの(MS ゴシックなど)に変更することで対処していた。今回の検証では必要なかったが、もし同様の症状が見られる場合には設定を確認してみるとよい。

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[萩原 充,ITmedia]

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