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» 2004年10月20日 15時55分 公開

MSの企業向けIM、次期版は電話も統合

「Live Communications Server 2005」用IMクライアント「Istanbul」は来年半ばに登場予定。これまでのIM、音声、ビデオに加え、コミュニケーション手段に電話が加わる。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftは、インスタントメッセージング(IM)サーバの次期バージョン「Live Communications Server(LCS)2005」をエンドユーザーの電話と連係させる新しいフロントエンドアプリケーションを開発している。

 コードネームで「Istanbul」と呼ばれるこのアプリケーションでは、既存のIM、音声、ビデオというLCSユーザー間のコミュニケーション手段に電話が加わることになる。

 「これは大きな前進だ。エンドユーザーは初めて、社内のPBX電話を総合的なリアルタイムコラボレーションインフラの一部として考えられるようになる」とMicrosoftのIstanbul担当リードプロダクトマネジャー、エド・シムネット氏は語る。Istanbulはまた、携帯電話や外線と通話できるように構成することも可能だという。「あらゆる電話がLCSで扱えるエンドポイントになる」

 Istanbulは2005年6月末までにリリースされる予定で、LCS 2005の推奨フロントエンドとなる。LCS 2005は今年末までに出荷の予定。

 同社のIMサーバの現行版であるLCS 2003では、Windows Messengerがフロントエンドとなっている。IstanbulはLCS 2003には対応せず、MicrosoftはWindows Messengerのサポートを継続するが、そのバージョン6.0が登場することはないだろうとシムネット氏は語る。

 Istanbulのもう1つの強化点は、Microsoft Office製品ファミリーとの連係の向上だ。これにより、例えばExchangeユーザーの「外出中」というメッセージが、ほかのユーザーが電子メールを送信した場合だけでなく、LCS 2005を介してコンタクトを取ろうとした場合にも表示されるようになる。また、Istanbulではより大きなビデオ画面が利用できるなど、音声やビデオ機能も強化される。

 「この製品の開発は、リアルタイムのコンピュータコミュニケーションとリアルタイムの電話コミュニケーションの統合に向けたMicrosoftの大きな取り組みだ。この製品の第一のメリットは、IM型のクライアントを既にほとんどの大企業にあるPBXインフラと連係させることができることにある」とForrester Researchのアナリスト、ネイト・ルート氏は語る。

 しかし、この種の機能に対する企業ユーザーの需要はまだ高くないため、Microsoftは近い将来Istanbulの採用促進に苦労することになるだろうとルート氏は語る。「Istanbulは、ほとんどのユーザーや企業がまだ認識していない問題のソリューションだ。これはすべての斬新なコミュニケーションパラダイムに当てはまることだ」

 ユーザーは職場でのコミュニケーションツールとして電話にもIMにも満足しており、電話やIM、そのほかのコミュニケーションツールを一元的に集中管理するツールとしてユーザーにIstanbulを採用してもらうためには、説得することが必要になる、とルート氏。「最初に乗り越えなければならない最大のハードルは、文化的な問題だ。この製品は仕事を楽にしてくれる新しい優れたツールであり、試してみるべきだとユーザーを納得させなければならない」

 しかし、長い目で見れば、Istanbulのようなツールは職場の必需品と思われるようになるだろうし、Microsoftはそれを見越して、先手を打ってIstanbulを開発するという賢明な動きを見せているとルート氏は語る。5〜6年後には、ユーザーの電話とPDA、PC、IM、Web会議などを統合する1つのフロントエンドアプリケーションを利用するという考え方は、企業にとって珍しいものではなくなるだろうと同氏は見る。

 「IMが電話システムや電子メールシステムのように標準化され、どのソフトを使ってもどこの誰とでも通信できるようになったときには、まったく新しい興味深い問題が浮上してくる。電子メール、IM、電話というコミュニケーションチャンネルがあり、いずれもそれぞれの世界で標準化されているのに、これらの間ではお互いにやり取りできず、それがユーザーに無用な負担をかけることになる」とルート氏。「Microsoftはこんなふうに考えている。『長期的にはわれわれはこうした問題を解決しなければならない。今から5年後のコミュニケーションのあり方を先取りする形で、そうした将来に向けたソフトの初期バージョンとしてIstanbulクライアントを提供しよう』と」

 MicrosoftがIstanbulのコンセプトを成功させる上で重要な次のステップは、他社との提携を積極的に継続して製品の機能性を拡張することだと、Wainhouse Researchのアナリスト、ポール・リッター氏は語る。同様に、潜在的なパートナーにとっては、Istanbul/LCS環境の中で居場所を見極めることが最も重要だという。「すべては完全に統合されたプラットフォームへと向かっている」ため、パートナーは、エンタープライズコミュニケーション分野の中で何を手がけるべきかを長期的に判断しなければならない、と同氏は話している。

 Microsoftは10月19日、ボストンで開催のFall 2004 VON Conference and ExpoでIstanbulの提供計画の発表を行った。

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