日本IBMは同社のブレードサーバ「IBM eServer BladeCenter」のラインアップを拡充、低電圧版のXeonを採用したモデルのほか、「IBM Expressポートフォリオ」に対応した安価なモデルを発表した。
日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は2月3日、同社のブレードサーバ「IBM eServer BladeCenter」のラインアップとして「BladeCenter HS20」2製品を拡充した。
発表されたのは、いずれもCPUがEM64Tに対応したXeon 2.8GHzのもの。従来との違いは次のいずれかであるといえる。
「IBM eServer BladeCenter HS20 低消費電力モデル」は、1プロセッサあたり48Wの消費電力を削減でき、ブレードサーバ14枚構成の場合は、従来5kW程度の消費電力が、約30%減となる3.5kW程度に押さえることが可能。価格は30万円から。
「IBM Expressポートフォリオ」は、同社が提供する低価格/短納期(5営業日)での提供を図る戦略製品のこと。ブレードサーバでは今回初めてこれに対応した製品(シャーシ・ブレードサーバ)をリリースしたことになる。ブレードサーバ10枚構成の場合、従来と比べ価格を約30%押さえることができる。こちらの価格はブレードサーバが28万円から、シャーシが89万円からとなっている。
また、今回のラインアップの拡充に伴い、2004年10月に発表した従来のブレードサーバの価格は15%程度値下げされている。
発表会では、日本IBMの執行役員でシステム製品事業担当の出澤研太氏が同社の戦略について触れた。
同氏はIDCが実施した2002年3月時点のサーバ動向について触れ、当時予想されていたほどIA64サーバが伸びていないこと、メインフレームがそれほど衰えていないことを指摘、さらにx86サーバが急速に伸びている現状を語り、そうした市場で引き続きナンバー1ブランドを維持していくつもりであると述べた。
そのための施策の1つとして同氏は「顧客視点の製品提供」を掲げたが、この考えに基づき、従来は晴海と箱崎に散在していた検証施設を統合し、箱崎事業所内にショールーム的な役割も持つ「IBMシステム・コンピテンシー・センター」を4月1日より開設することを明らかにした。こうした場を通じ、IBMフェローやDE(Distinguished Engineer)などが顧客の経営層に先進的なテクロノジーとその活用方法を説明する「エグゼクティブ・ブリーフィング・プログラム」サービスを開始するという。
また、今回の発表は主にXeonプロセッサに関する製品であったが、AMDのOpteronを採用するかどうかについて、xSeries&IntelliStation事業部長の藤本司郎氏は、「HPC分野でOpteronに対する需要はあると思う。Opteronを搭載したブレードサーバについても発表予定で、鋭意開発中」であると述べた。そのほか、同社のPOWER5を搭載するブレードサーバについても、今後、IBM Expressポートフォリオに対応した製品を出す予定であると付け加えた。
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