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» 2005年11月24日 22時40分 公開

オラクルがMS系パートナーと協業、SQL Serverをけん制

日本オラクルは、Oracle DatabaseのWindowsプラットフォーム向け戦略を加速するためWindowsプラットフォームに強みを持つソフトウェアベンダやシステム・インテグレータ(SIer)と協業すると発表した。

[垣内郁栄,@IT]

 日本オラクルは11月24日、Oracle DatabaseのWindowsプラットフォーム向け戦略を加速するためWindowsプラットフォームに強みを持つソフトウェアベンダーやシステムインテグレーターと協業すると発表した。マイクロソフト系ともいえる企業との関係を強化することで.NET環境のデータベース開発者をOracle陣営に引き込む考え。マイクロソフトが11月17日に発表した新データベース「SQL Server 2005」をけん制する狙いもある。

日本オラクルの執行役員 システム事業推進本部長 三澤智光氏。「オラクルはWindowsと.NETに完全にコミットするとはっきり宣言したい」

 オラクルが協業したのはグレープシティ、アルファテック・ソリューションズ、テニックの3社。グレープシティとの協業は、.NET環境におけるOracle Databaseの開発環境の強化が目的。グレープシティとオラクルは、グレープシティのVisual Basic、Visual Studio向けのコンポーネント集「PowerTools」とOracle Database 10gの動作検証を9月末に行った。.NET環境で開発するOracle DatabaseのユーザーやVisual Studioのユーザーを対象にしたセミナーなども共同で開催して、.NET環境のデータベース開発者を支援する。

 オラクルはVisual Studio.NETでOracle Databaseのアプリケーションを開発できるVisual Studio.NETのアドオンツール「Oracle Developer Tools for Visual Studio.NET」を今年8月に提供。.NETストアドプロシージャを作成する「Oracle Database Extensions for .NET」も11月1日に出荷を開始したOracle Database 10g Release 2でサポートするなど、.NET環境におけるOracle Databaseの開発環境を強化している。

 アルファテックとの協業では、SQL ServerやMicrosoft AccessからOracle Databaseへの移行支援を展開する。アルファテックはこれまで年間1億円以上のSQL Serverの販売実績があったが、「エンジニアを中心に(SQL Serverの)パフォーマンス・チューニングの広さや自由度、セキュリティ、可用性、安定性などで苦労している。

 これをまともにしようとすると顧客や自社に大きな負担になる」(アルファテック 取締役 執行役員 プラットフォーム・ソリューション事業部長 椿正義氏)として、「今年度の下半期からは特に顧客からの指名がない場合はデータベースはOracle Databaseを使うように顧客に強く推奨している」(同氏)という。アルファテックはマイクロソフトの認定ゴールドパートナー。

 アルファテックはSQL ServerからOracle Databaseへのマイグレーションも展開していて、すでに流通企業の基幹系システムをSQL Server 2000からOracle Database Enterprise EditionのReal Application Clusters(RAC)構成に移行させた実績があるという。

 オラクルとテニックとの協業は、Oracle DatabaseとMicrosoft Excelを連携させるツール「KeySQL」の拡販で協力する。KeySQLはテニックが開発し、オラクルにOEM供給しているツールで、Excelを使ってOracle Databaseのデータを利用できる。オラクルが想定しているのはKeySQLをビジネスインテリジェンス(BI)の簡易ツールとしてユーザーに使ってもらうこと。SQL Server 2005はBI機能を搭載するのが売りの1つで、KeySQLで対抗する。2006年3月に出荷予定のKeySQL6.0はクロス集計や管理機能を強化する予定で、BI機能を大きく打ち出す考えだ。

 日本オラクルの執行役員 システム事業推進本部長 三澤智光氏は「.NETの開発環境でOracle Databaseがきちんとサポートされるのかが、ユーザーの悩みだ」としたうえで「マイクロソフトよりも早く対応することで.NET開発者に安心感を与えたい」と述べた。“早く対応する”とは具体的にはSQL Server 2005で実装されるCLRストアドプロシージャを、Oracle Database 10g R2が先にサポートしたことや、Windows x64の対応版を先に出荷すること。

 三澤氏は「OSやミドルウェア、言語、データベースが基本的に限定される.NETアーキテクチャは垂直統合の最たるもの」と指摘し、オラクルの「Oracle BPEL Process Manager」を使って.NETを連携させることで「.NETでも水平連携とSOAが実現できるようにする」と述べた。また、三澤氏は無償版の「Oracle 10g Express Edition」の日本語対応版を2006年上半期にも国内で出荷する考えを示した。

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