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» 2006年01月13日 08時59分 公開

構造改革としての2007年問題:ユーザー企業のシステム経験者減少に深い懸念 (1/2)

富士通総研の前川徹氏は2007年問題について、「ユーザー企業側において、今後システムを良く理解している人材が減少することに懸念を持っています」と話している。

[ロビンソン,メディアセレクト]

「ITセレクト2.0」 2006年1月号 から転載

ペアプログラミングで熟練技術者の直接指導を

 2007年問題へのとらえ方は、業種によってかなりの温度差がある。特に、読者の多くが関係する情報サービス産業では、ほかの産業と比べても年齢構成が若く、団塊の世代の大量退職に伴う影響は相対的に小さいと思われる。経済産業省の特定サービス産業実態調査を見ても、80年代後半から従業員数が急激に伸びていくのが分かる(図3)。その世代も今はまだ40歳〜50歳あたりだ。

図3

 また、団塊の世代は、今のシステムと比べて頑強なレガシーシステムを組めたと言っても、ウェブアプリケーションで組むことが当たり前となった現在、団塊の世代の人々が活躍する場面はそう多くはなく、情報技術とともに成長した今の世代にとっては、それほど問題と感じていないかもしれない。

 「汎用機時代のガチガチのレガシーシステムがどれほどの割合で残っているか、長い間に培った業務ノウハウが現在においてどれほどの影響力を持つか、そこに問題は集約されるでしょうが、ただその予測は難しい。むしろ、ユーザー企業側において、今後システムを良く理解している人材が減少することに懸念を持っています」と答えるのは、富士通総研の前川徹氏だ。

富士通総研経済研究所主任研究員 前川徹 氏。79年に通商産業省に入省、機械情報産業局情報政策企画室長、JETRO New Yorkセンター産業用電子機器部長、情報処理振興事業協会(IPA)セキュリティセンター長(兼、技術センター長)などを経て、現職。早稲田大学国際情報通信研究センターの客員教授と、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの主幹研究員も兼任。

 同氏自身、旧通商産業省時代にはシステムの設置や、オペレーティングの経験を持つ。昔は、省庁や大企業で大規模なシステムを導入する場合、それなりの人材を投入してサポートしていたため、組織内にコンピュータをしっかりと理解した人がいた。それが団塊の世代に当たる人たちで、かなり深い部分まで手を入れて管理していたので、現在のようにシステムがブラックボックス化はしていなかったと振り返る。

 「アウトソーシングが進み、ユーザー側で業務プログラムを組んだことのある人は極端に少ない状況で、根本から分かっている人たちが情報システム部門から退職していくのは、やはり深刻な問題です」(前川氏)

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