「3台」が正解。
そもそもサブネットマスクとは、IPアドレスのネットワーク部とホスト部との境界
線を示すものである。サブネットマスクが255.255.255.240というのは、これを2進数に直すと
11111111 11111111 11111111 11110000
という意味である。つまり、IPアドレスの先頭28ビット分がネットワークアドレス、残りの4ビットがホストアドレスという意味になる。同一ネットワーク上にあるホストは、すべて同じ番号のネットワーク部を持たなければならない。
さて、サーバのIP アドレスが192.168.1.1ということは、これを2進数に直すと
11000000 10101000 00000001 00000001
となる。このうち
11000000 10101000 00000001 0000
までがネットワーク番号(ネットワーク部)で、残り
0001
がホスト番号(ホスト部)である。
では、各クライアントのIPアドレスを、それぞれ2進数に直してみよう。
A:11000000 10101000 00000001 00001010
B:11000000 10101000 00000001 00010100
C:11000000 10101000 00000001 00011110
D:11000000 10101000 00000001 00101000
このうち、サーバのネットワーク番号「11000000 10101000 00000001 0000」と等しいのはA だけで、残りの3台はサーバとネットワーク番号が異なる。従って、サーバとは通信できない。
「『arp -d』コマンドを用いて、ARPキャッシュをクリアする、またはOSを再起動する」が正解。
本来各ノードを一意に識別するのに用いるアドレスは、LANカードに設定されたMACアドレスである。
MACアドレスは48ビットの数値で、通常は機器に直接設定されており、変更することはできない。一方、TCP/IPの世界で各ホストを一意に識別するのに用いるのはIPアドレスである。
TCP/IPの世界ではARPというプロトコルを用いて、このIPアドレスとMACアドレスとの名前解決を行っている。ネットワークへの負荷を削減するため、ARPは一度名前解決したIPアドレスとMACアドレスとの関係を、ARPキャッシュと呼ばれる領域にキャッシュしている。
午前中から使用しているコンピュータには、元のサーバAのMACアドレスがキャッシュされていることが考えられる。このキャッシュをクリアするのが、コマンドプロンプトから入力できる「arp-d」というコマンドである。またコンピュータを再起動しても、ARPキャッシュはクリアされるので、新しいサーバAのMACアドレスを再度解決することになり、通信が可能になる。
長時間放置しておいてもキャッシュはクリアされるが、現実的ではない。
「arp -s 192.168.1.1 00-28-2b-40-94-36」が正解。
arp -s コマンドを使うと、そのPC内のARPキャッシュを静的に割り当てることができる。
つまりそのPCに限って、「192.168.1.1というIPアドレスへの接続が必要であれば、00:28:2b:40:94:36というMACアドレスの機器に繋ぎなさい」という指定ができるわけである。一部のネットワーク機器は、直接IPアドレスを割り当てなくてもこの方法で接続できるものがある。そのPCに限って、192.168.1.1というIPアドレスでこのネットワーク機器に接続することができるのである。ただし、自身に設定されていないIPアドレスのパケットを破棄するネットワーク機器もあるので、この方法で必ず通信できるわけではない。
注意しなければならないのは、このコマンドを用いて該当するネットワーク機器に直接IPアドレスを割り当てているのではない、という点である。「192.168.1.1というIPアドレスは、00:28:2b:40:94:36のMACアドレスを持った機器のことなんだな」という認識をしているのは、あくまでもこのarpコマンドを入力したPCだけである。 従って、この作業を行ってWebブラウザからネットワーク機器の設定画面に到達できたら、すみやかに該当ネットワーク機器にIPアドレスを割り当てなければならない。
「DHCPサーバが正常かどうかを調べる」が正解。
ipconfig コマンドは、Windows 2000 やWindows XPなどにおいて、現在設定されているIP アドレスを調べるコマンドである。
Windows 2000 やWindows XP(他にWindows 98/Me、MacOS 9以降など)は、DHCP サーバからIPアドレスが取得できない場合に、自分自身に自動的に169.254.x.xのIPアドレスを割り当てる。これをAPIPA(Auto Private IP Addressing)と言う。すなわち、現在設定されているIPアドレスが169.254.x.xであれば、DHCPサーバからIPアドレスが取得できていない状態であることがわかる。
問題文には「先日までちゃんとサーバに接続できていた」と記述されているので、それまではアクセスできていたことになる。ネットワーク設定は変更していないのだから、169.254.x.xというIPアドレスが最初から設定されていると考えるのは困難だし、DHCPサーバの設定そのものに問題があると考えるのも無理がある。
「そのPC 自身」が正解。
127.0.0.1というIPアドレスは「ローカル・ループバック・アドレス」と呼ばれる特殊なもので、どのホストにとっても、必ず自分自身を示す。
ある種類のセキュリティソフトには、そのセキュリティソフトがメールソフトの代わりにメールを受信して中身を吟味し、悪意のあるメールを削除する。そしてメールソフトに対しては、そのセキュリティソフトがメールサーバであるかのように振る舞う。セキュリティソフトはそのPC自身にインストールされているため、自分自身を表す127.0.0.1をメールソフトに設定するように記述されているのである。
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