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» 2007年01月15日 00時00分 公開

アプリケーション連携の新時代に向けて――MIJSが描く新たなソリューション像

コンソーシアム活動を成功させるには、マイルストーンを決め、活動目的に応じた成果を明確に示すことが重要だ。MIJSは、製品単体ではなく、製品間の組み合わせから生まれる新たなソリューションを錬成して価値を生み出そうとしている。

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MIJSのトータル連携構想

 MIJSのようなコンソーシアム活動を成功させるためには、マイルストーンを定め、活動目的に応じた成果を明確に示すことが重要となる。MIJSでは、2006年11月に参加する企業が提供している製品の10の組み合わせについて、連携実績の報道発表を行っている。この際には、ERPにBI(Business Intelligence)や帳票などの付加価値を加えるものや、業務アプリケーションとEAI(Enterprise Application Integration)製品を組み合わせ、外部システムとのデータ連携を強化するものなどが挙げられている。

 これらの中には、MIJSのコンソーシアム活動が始まる以前から個々の製品間で連携の仕組みを提供していたものもあるだろう。しかしそれは同時に、MIJSの活動を進める中で改めて整理され、単なる製品同士の連携ではなくその組み合わせによる新たなソリューションとして再定義されたものでもある。

 MIJSでは参加企業の製品連携を進めることで、まずは国内でのMIJSブランドの確立を目指している。それぞれの企業が持つ製品単体で海外市場を目指すのではなく、新たな組み合わせから生まれるソリューションを強みとしていこうというのだ。

図1 MIJSの製品連携構想 (画像をクリックすると拡大表示します)

 そのために、(1)トランザクション、(2)マスター、(3)インフラ機能の3つのレベルで連携を図り、それによってMIJSの製品群で企業内のトータルシステムを実現することを具体的な目標に掲げている。現在、トランザクション、マスター、インフラ機能の連携についてはそれぞれ技術部会を作り、同時並行的に作業が進められている。

 (1)トランザクションのSOA連携

 製品間でトランザクションのSOA連携を実現するために、MIJSではピア・ツー・ピアの製品連携ではなく製品群の中心にEAIの連携エンジンを置き、それを共通バスとして扱う方法を採用する。既存の仕組みを優先してピア・ツー・ピアの仕組みを継承すると、製品間の連携を増やせば組み合わせがその分増え、入り組んだ網目のような状態ができあがってしまい、複雑になりすぎて効率的な連携は実現できない。

 そこで共通バスを採用すれば、シンプルな構造となり製品が増えても各製品でその都度連携の仕組みを作る必要がなくなる。このバスの部分には、すでにEAIツールとして実績のあるアプレッソの「DataSpider Servista」を利用する。各社の製品は連携のために他社製品との間にいくつもの連携の仕組みを構築するのではなく、この共通バスとの連携のためのアダプタを1つ用意すればよい。

 実際のアプリケーション間の連携では、単にデータの受け渡しを実現するだけでなく、例えばエラーに対処するためのルールを設定し、さまざまな処理を行う必要がある。これについても、基本的なルール処理は連携エンジンである程度吸収できるようにする。

 共通バスがベンダーや製品の枠を超えて存在することで、既存の製品についてはアダプタを新たに1つ用意、また新規製品については最初から共通バス用のインタフェースを持つようにすれば、異なるベンダーのアプリケーションパッケージ間でも容易に連携させることが可能になるのだ。

図2 トランザクションのSOA連携 (画像をクリックすると拡大表示します)

 (2)共通マスター連携

 製品間の共通バスを介した連携が実現しても、各製品で用いるマスターデータの構造が異なると、連携した際に何かしら手を加える必要が出るだろう。これを解決するには、すべての製品で共通なマスターを定義すればいい。とはいえ、既存の製品に対して新たなマスター構造を強制すると、場合によっては大幅な改修作業が発生することになる。それを避けるために、MIJSでは緩やかな方法で共通マスター化を進めようとしている。

 まずは、どの製品でも利用することの多い社員、部門(組織)のデータに関して共通マスター化を進める。ただし、いきなり標準を決めてそれを使うように強制するのではない。どのシステムでも明らかに共通となる部分を基本部分として定義し、各製品で特徴的な構造となる部分については拡張部分として定義する。

 このように定義された共通マスターについては、基本と拡張のそれぞれと連携するアダプタを製品ごとに用意する。新規製品については、最初から共通マスターに準拠すれば当然アダプタは必要ない。

 共通マスターを定義することで、製品間をまたいだプロセスでもデータが共通化されているので、マスターを介しデータの状況を自動的にトラッキングする仕組みなどが容易に構築できる。今後、社員、部門のマスターがうまく機能するようになれば、これらに加えて会社マスターなども拡張することを予定している。

図3 共通マスター連携 (画像をクリックすると拡大表示します)

 (3)共通インフラ機能の連携

 パッケージ製品には、それぞれにさまざまな機能が搭載されている。BIに特化した製品もあれば、EコマースのアプリケーションにもBI機能が搭載されているだろう。ほとんどのアプリケーションは帳票機能を持っているし、帳票だけに特化し高度な機能を搭載しているパッケージもある。また、製品の特徴的な機能に関しては完成度はもちろん高いが、付加的な機能についてはまだ成熟しておらず、簡易的なものにとどまっていることもある。

 パッケージのこうした状況の中で、どの製品でも利用できるようなインフラ機能を取り出し、共通部品化して誰でも簡単に利用できるようにすれば、それらを使って顧客の要望に柔軟かつ容易に応えられるようになる。これを実現するのが、共通インフラ機能連携だ。各製品内の独自インフラとなっている機能を外部の共通モジュールとすることで、インフラ機能の共通化、共有化を図るのだ。共通インフラ機能の部品化が進めば、これらを組み合わせるだけでも新たなシステムの構築につながる可能性がある。

 最終的には、各部品でユーザーインタフェースの統一などを行い、ユーザーが複数のベンダーから提供されているソフトウェアを利用していても、統一感のある環境下で違和感なく利用できるようになる。また各社は、それぞれが得意としている機能の開発に注力し、無駄な投資を排除してより競争力の高いソフトウェアを開発できるようになるともいえる。

図4 共通インフラ機能の連携 (画像をクリックすると拡大表示します)

単なる製品の連携から新たなソリューションへ

 成果の出やすいトランザクション連携については、報道発表された組み合わせ以外でも連携作業が進められている。

 例えば、Web対応のERPパッケージであるインフォベックの「GRANDIT」に、営業のプロセスを系統的に改善するソフトブレーンの「eセールスマネージャー」、サイボウズのコラボレーション製品、HOWSが提供するAjaxコンポーネント、ウイングアークテクノロジーズの多次元高速集計検索エンジン「Dr.Sum EA」を組み合わせた連携を進めている。これにより、営業活動に必要となるERPとCRM(Customer Relationship Management)アプリケーションを連携させ、BIやコラボレーション機能で可視化を行う。そこにAjaxも用い、Web2.0的な新たなソリューションを生み出しているのだ。

 もちろん個々の製品でも、企業のブレークダウンされた個別要求には応えることができる。しかしながら、企業の担当者がCRMパッケージが欲しい、あるいはBIを導入したいというレベルまで、ITシステムやパッケージソフトウェアの内容を必ずしも詳細に理解しているわけではない。もっと漠然と、営業活動を効率化するためにITシステムを活用したいと考えるのが普通だ。

 そのときに、個々のパッケージ製品の特徴部分だけを顧客企業の担当者に説明しても、良さをすぐには納得してもらえない。たとえ、製品が一連の営業プロセスの中の特定部分の改善につながるのだという話を理解してもらえても、「ではその前後のプロセスはどうなるのか」「既存のシステムとの連携は」「このパッケージの導入でユーザーは新しいソフトウェアの使い方を覚えなければならないのか」といった新たな懸念材料も生まれるかもしれない。

 つまりそうなると、バックエンドの基幹系、フロント側のユーザー環境など、営業プロセスをトータルでサポートするITシステムが必要となるのだ。その要求に応えるには、大手海外ベンダーが提供する「何でもあり」の統合アプリケーションパッケージが必要になるともいえる。しかし、そのようなアプリケーションパッケージは価格も高額で、中小企業などにとってはオーバースペックとなることも多い。

 中小規模の企業の営業プロセスに合わせ、適宜必要なものを組み合わせることができるのならば、きめの細かい対応が可能な国産ベンダーの製品を採用した方が効率的かもしれない。したがって、個々の製品連携ができるということではなく、もっと大きなソリューションという形で企業の要望に応える製品の組み合わせを作っていくことは、きわめて重要だ。

 2007年2月1日、「MIJSが日本のソフトウェアビジネスを変える」をテーマに、東京にてMIJSカンファレンス「Japan」2007が開催される。このイベントでは、MIJSの趣旨を説明して日本の今後のソフトウェアビジネスを考える基調講演を始め、MIJSの今後の活動方針を明らかにするセッションが多数行われる。

 注目は、現状のMIJSの活動実績となるトランザクションレベルでの製品連携について、9つのソリューションという形で解説が行われる製品連携トラックだ。これは、連携技術の解説というよりは、異なるベンダー製品の組み合わせで新たなソリューションが生まれることを解説するものだ。

 MIJSの活動は、日本のソフトウェアの良い部分を集め、新たなソリューションへと錬成することで、さらなる価値を生もうとしている。この活動を通してMIJSというブランドが確立できれば、巨大な海外ベンダー製品にも十分に太刀打ちできる日本製のソフトウェアパッケージが生まれることになる。これを現実のものとするためにも、ユーザーにとって分かりやすく、確実な成果を示してほしいところだ。

日本のソフトウェアビジネスを変える〜 MIJSカンファレンス「Japan」2007 開催決定!
テーマ 日本の有力ソフトウェアベンダーが結集!
製品の相互連携による海外展開および国内ビジネス基盤強化を熱く語る!
注目セッション 基調講演1
ソフトブレーン株式会社 マネージメントアドバイザー 宋文洲氏
「日本のソフトウェアベンダーへのエール、世界に視点を!」
基調講演2
日本放送協会 エグゼクティブ・プロデューサー 今井彰氏
「『プロジェクトX 〜挑戦者たち〜』チームとは何か、そしてリーダーの条件」
日時 2007年02月01日(木) 10:30〜(受付開始 10:00)
会場 東京コンファレンスセンター・品川
参加費 無料(定員600名)
主催 MIJSコンソーシアム
協賛企業 日本アイ・ビー・エム株式会社、日本オラクル株式会社、日本BEAシステムズ株式会社、
マイクロソフト株式会社、インテル株式会社、デル株式会社
協力企業 サン・マイクロシステムズ株式会社
メディア協力 ITmedia エンタープライズ編集部、@IT編集部、IDGジャパン、ZDNet Japan

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提供:MIJSコンソーシアム
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年2月20日