新モデルでは、Oracle EnterpriseのCPU 1個分のライセンスと同じ価格で、「MySQL Enterprise」を何件でもインストールできる。
オープンソースデータベースメーカーMySQLは1月30日、自社のエンタープライズ向け価格構造を大幅に簡略化し、年額4万ドルで同社主力製品「MySQL Enterprise」を何件でもインストールできるという一律料金のライセンスモデルを導入した。
4万ドルというのは、Oracle EnterpriseのCPU 1個分のライセンスの価格と同じだとMySQLの広報担当者は言う。Oracle広報にコメントを求めたが、回答は得られていない。
MySQLは世界で最も人気の高いオープンソースデータベースソフトで、アクティブインストレーションは1000万件を超えると同社上級副社長ザック・アーロッカー氏はeWEEKに語った。
MySQL Enterpriseは、プロダクションテスト済みソフト、予防的監視ツール、プレミアムサポートサービスの包括的なセット。
MySQL Enterprise Unlimitedは、Oracle、Microsoft SQL Server、Sybase、IBM DB2の既存のサイトライセンスを持つ企業向けに設計されている。昨年にはInternational Oracle User Groupの調査で、同団体の会員の3分の1がMySQLを使っていることが明らかになった。
「MySQL Enterpriseはわれわれの組織全体にとって、データベースソフトとテクニカルサポートの購入をずっと簡単にした」とInstaclickのシステムマネジャー、グレン・ベルゲロン氏は言う。同社はMySQL Enterprise Unlimitedをいち早く活用した企業の1つ。
「この新製品は、プロジェクト数は増えているのに予算が厳しく固定されている企業のIT部門にとって理想的だ」(同氏)
MySQL Enterprise Unlimitedサブスクリプションにより、企業は幾つものMySQLデータベースアプリケーションを開発、管理、完全サポートでき、これはIT業務の時間、コスト、リスクを大幅に低減するとアーロッカー氏は語る。
「主に配布や量におけるアドバンテージにより、オープンソースは従来のエンタープライズソフトの価格体系を打破することができる」とRedMonkの主席アナリスト、ステファン・オグレディ氏は語る。
「MySQLは最新のサイトワイド契約でそれを証明しようとしている。これにより顧客は従来のコストよりもずっと少ない額で、企業全体にわたってすべてのデータベースをサポートできるようになる」(同氏)
過去1年間、MySQLはエンタープライズ向けサブスクリプションビジネスで記録的な成長を遂げてきたとアーロッカー氏は語る。2006年にはMySQL Serverのダウンロードが1200万件を超え、インターネット上で最もダウンロードされたアプリケーションの1つとなった。
「DisneyやNBCのような企業など、約2500の新規顧客を加えた。CIO(情報統括責任者)の検討事項になり始めている」(同氏)
クリエイティブな価格体系が成功するかどうかは、競争力のある経費と製品品質次第だとPund-ITのアナリスト、チャールズ・キング氏はeWEEKに語った。
「この価格体系に対する典型的な反論は、これまでのDB投資への潜在的な危険あるいは損害で決まるだろう。つまりMySQLは約束したとおりの、ユーザーが使い慣れた製品を提供できるのか、ということだ。だが金銭的に圧迫されてきている企業にとっては、MySQLの新しい価格モデルは非常に魅力的だろう」(同氏)
MySQL Enterpriseのサブスクリプションには以下のものが含まれる。
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