「ユー・ガット・メール」はもう古い――受信メールにカスタムの旋律を1分ショートレビュー

メールの着信を、ポップアップやアイコンの点滅で知るのは、すでに時代遅れ。PerlとSoXを使えば、送信者や件名によって好きなサウンドを鳴らすことができる。嫌いな上司からのメールには『ジョーズ』のテーマ、至急の依頼には『24 TWENTY FOUR』のCTU電話音で味付けてはどうだろう。

» 2007年03月13日 11時36分 公開
[克元 亮,ITmedia]

ここで紹介する記事は、developerWorksの「受信Eメールにカスタムの調べを再生させる」です。


 メールの着信を知るには、ポップアップやアイコンの点滅など、視覚的な手段に訴えるのが一般的だ。ここで、サウンドを利用した通知となると、AOLの「ユー・ガット・メール」を超えるものはまだ現れていないのではないだろうか。

 受信したメールには即返事するのが重要なことはいうまでもないだろう。しかし、実際にはどんなメールでもというわけにはいかない。顧客からのクレームなど、時間を置いてから返事したいケースも存在するはず。だが、これまでは、メールを開かなければ、誰からどんなメールが届いているのかは分からなかった。

 本稿では、着信したメールの内容に基づいてカスタムなサウンドファイルを作成し、再生する方法をソースコードも交えて紹介している。このプログラムを使えば、上司からのメールが着信したことや、自分の銀行口座に入金があったことなどをサウンドで聞き分けられるようになる。

 メールの受信時に再生するカスタムのサウンドファイルは、サウンド処理プログラムのSoX(sound eXchange)とキーワード検索機能によって合成される。本稿で紹介されているプログラムを使うには、Linuxカーネル2.4以降かWin32、そしてPOP3Clientモジュールを備えたPerlが必要なだけだ。また、オープンソースのオフィススイートであるOpenOfficeに含まれているサウンドファイルもサンプルに適している。対象メールサービスとしては、優れた検索機能と大容量ゆえにユーザーが急増しているGmailアカウント、そしてPOP3クライアントを使った例が示されている。

 サウンドが重なって混乱するのを避けるため、個々のサウンドファイルに短期、中期、長期のピーク音群を持たせるなど、単純な時分割手法を使っているのも特筆に値する。これによって、瞬間的なサウンドや緩やかなサウンドの強弱が可能になる。多彩なサウンドファイルを、メールの検索条件に対応させることで、さまざまな意味を持たせることができる。

 本稿で紹介されているemailMixer.configファイルをぜひ見て欲しい。フォーマットがメールのヘッダ部分に似ており実に簡潔だ。プログラムをダウンロードして、この設定ファイルをカスタマイズするだけで、送信者や件名、検索したい本文のキーワードなどで、好みのサウンドを鳴らすことができる。

 もちろん、この記事で使用したサウンドファイルと構成例は単なる出発点にすぎない。紹介した例にとらわれず、独自のサウンドファイルと構成を使ってみてはいかがだろう。ちょっと考えただけでも、ワクワクするではないか。

 嫌いな上司には『ジョーズ』のテーマ、トラブル情報には消防車のサイレン、至急の依頼には『24 TWENTY FOUR』のCTU電話音あたりでどうだろう。これを使えば、返信を急ぐメールと急がないメールを聞き分けることができる。しかも、いやなメールを開く前に心の準備もできるのだ。さあ、時間に余裕を、心に平穏をもたらそう。

ここで紹介した記事は、developerWorksの「受信Eメールにカスタムの調べを再生させる」です。


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