強力な管理機能を備えたProject Server 2007（2/2 ページ）

[Michael Cherry，Directions on Microsoft]

拡張性とパフォーマンス

　Project Serverでは、Project Serverインタフェース（PSI）というプログラミングインタフェースが用意されている。開発者はPSIにより、独自に作成したイベントハンドラを利用して、Project Serverで発生する160以上のイベントに応答するカスタムアプリケーションを開発できる。プロジェクト、タスク、割り当て、カスタムフィールド、タイムシートなど、Project Server 2007のオブジェクトはすべて、ビジネスルールを実装したり、Project Serverを会計システムなどのERPアプリケーションと連携させたりするために利用できる。例えば、提出や取り消しなどのタイムシートイベントを使えば、タイムシートがデータベースに提出される前に会社のビジネスルールをチェックし、ルールが満たされていなかった場合は提出を中止するイベントハンドラを作成できる。さらに、イベントハンドラは、Windows ServerのWindows Workflowエンジンを利用して、Project Serverを介したビジネスプロセスを管理することもできる。

　また、Project Server 2007では、Project ProfessionalのスケジューリングエンジンがProject Server上でも動作するようになっている。従来のバージョンでは、プロジェクトマネジャーはProject Professionalをクライアントとして使って、プロジェクトのスケジュールを再計算しなければならなかった。だがProject Server 2007では、マネジャーはProject Web Accessを使ってサーバ上でスケジュール計算を実行できる。

　Project Server 2007では、パフォーマンス向上のために新しいアクティブキャッシュ機能が使用されている。この機能は、ファイル、全社のリソースプール、グローバルテンプレート、そのほかの関連情報をユーザーのコンピュータにコピーして、素早くアクセスできるようにするものだ。また、新しいサーバサイドサービスであるキューサービスでは、ユーザーは、サーバへの情報要求が処理されるまでに時間が掛かっても、待機せずに作業を続行できる。

パートナーにビジネスチャンス

　プロジェクト管理は複雑な分野であり、MicrosoftのEPMソリューションは、複数の製品をベースにした複雑なものだが、ドキュメントが不十分だ。こうした要因はMicrosoftのパートナーに、このソリューションの利用、運用、管理の方法を企業に指南するサービスの大きなビジネスチャンスをもたらす可能性がある。

　また、パートナーにとっては、プログラミングインタフェースを使ってProjectをほかのエンタープライズアプリケーションと連携させるサービスや、特定の業種や業務のプロジェクト管理要件に対応した特殊なインタフェースを開発するサービスを提供するビジネスチャンスも大きい。

価格と互換性

　EPM 2007製品（とスタンドアロンデスクトップアプリケーションのProject Standard 2007）は、いずれも2006年11月に企業顧客向けにリリースされ、2007年1月に店頭販売（主にProject Standard）が開始された。

　Open LicenseプログラムのOpen Businessオプションを利用する場合のProject Server 2007のサーバライセンス価格は4424ドルで、Project Server 2007 CAL（クライアントアクセスライセンス）は159ドル。Project Server 2007のエクスターナルコネクタライセンスは3万5295ドル。このライセンスは、任意の数の従業員以外のユーザーが1台のサーバにアクセスすることを許諾するもので、Project Serverをエクストラネットで利用する場合に特に便利だ。Project Portfolio Server 2007は、サーバライセンスが上記と同じ4424ドル、CALが238ドル、エクスターナルコネクタライセンスも上記と同じ3万5295ドル。大量に購入する場合に加え、Select LicenseプログラムやEnterprise Agreementプログラムを利用する場合には、ボリュームディスカウントが適用される。

　Project Professional 2003など、Project Professionalの従来のバージョンは、Project Server 2007へのアクセスに利用できず、Project Professional 2007は、Project Serverの従来のバージョンへのアクセスに利用できない。こうしたEPM製品の最新バージョンでは、アーキテクチャが変更されたほか、Windows SharePoint Services 3.0と.NET Framework 3.0が採用されたためだ。企業はProject Serverの従来のバージョンと並行して、Project Server 2007のライセンスを取得して運用を行える。プロジェクトやそのほかのProject Web Accessデータ、例えば、セキュリティ設定やProject Web Accessの表示設定などは、Project Server 2003から移行できる。