我々自身がセールスポイント――サービス事業を再構築するHP(1/2 ページ)

HPはハードとソフト、サービスの一体化を進める。これでユーザーが得るメリットは何か?その答えをHPは自社の環境で証明する。

» 2007年06月22日 12時50分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 ほかの大手OEMと同様、Hewlett-Packard(HP)もこの数年、サービスビジネスに本腰を入れており、その売り上げが数十億ドルという規模に達した今、この分野は同社にとってますます重要かつ収益性の高いビジネスになりつつある。

 6月18日に開幕したHPの年次カンファレンス「Technology Forum & Expo」では、ほとんどの講演やブレークアウトセッションが各種の新技術(同社は数種類の新しい「グリーン」ストレージハードウェアやソフトウェア製品を発表)、ならびに仮想化などの技術の実装をテーマとしたものだった。カリフォルニア州パロアルトに本社を構えるHPは、自社の事業拡大および企業買収に合わせてサービス体制を再構成することを目指している。

 HPはこの数年、Mercury Interactiveなどのソフトウェア企業の買収を進めてきた。54億ドルを投じたMercuryの買収は、HPの管理ソフトウェア製品ラインの拡大をもたらした。

 MercuryやKnightsbridge Solutionsなどの企業を吸収したことでHPは現在、顧客に販売する製品をさらに数多く抱えることになった。また、自社の技術ポートフォリオを拡大するための投資も続いている。それは、HPがフォーラムの2日目に、WebアプリケーションセキュリティソフトウェアのメーカーであるSPI Dynamicsの買収計画を発表したことからもうかがえる。

 HPは現在、提供すべきオプションを多数抱えているため、自社のサービスをパッケージング/提供する方法を見直そうとしており、これは今年のフォーラム全体を通じて大きなテーマにもなっている。

 マーク・ハードCEOは基調講演で、ハードウェア企業としての伝統的なルーツから脱皮し、よりソフトウェア/サービス志向の企業へとHPが大きく成長して以来、同社が取り組んできた問題について論じた。HPでは、主要な顧客に最新技術を提供する一方で、自社内のインフラ問題に対処する新たな方法を検討する必要に迫られてきたという。

 1万6000人の会員を抱えるHP最大のユーザーグループであるEncompassのニーナ・ビューイック会長によると、HPの製品ポートフォリオの拡大とサービスの増加は、会員の間で多少の混乱を引き起こしてきたという。同グループでは、HPにフィードバックを提供するよう努めている。「HPのアダプティブインフラ技術などのコンセプトを取り上げ、システムマネジャーにとってその技術が何を意味するのか具体的に明確にさせるのが目的だ」とビューイック氏は話す。

 ハード氏の6月18日の基調講演に続いてスピーチを行ったHPの技術サービスグループのアン・リバモア執行副社長は、「当社では、コア製品であるサーバ、ストレージおよびサービスを活用してIT関連のあらゆる問題や懸念に対応できるモデルの構築を進めている」と語った。この目標に向けた構想の1つであるHPのアダプティブインフラ技術は、IT部門がデータセンターを完全に自動化するのを支援するのが狙いだ。

 もう1つの構想は、同社が6月19日に発表した「HP Secure Advantage」で、これはHPのサーバ、ストレージ、サービスを利用して広範なセキュリティ製品を提供することを目指したもの。さらにHPは、Tech Forumと並行して開催中の「HP Software Universe」において、データセンター管理の効率化に役立つ各種の新ソフトウェアやアップデートを発表した。

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