Workstation 6は、シンプルなメニューと洗練されたアイコンを持つ申し分のないユーザーインタフェースを備えている。新しい機能が加わっただけでなく、 Workstation 6は、Linuxホストを実行するユーザーに既存の機能の一部も提供している。中でも素晴らしいのが、Linuxホストとゲストの間でファイルを共有できる機能だ。以前のバージョンでは、Windowsの実行ホストでしかこの機能が使えなかった。収録されているVMwareツールのアドオンパッケージをゲストOSにインストールすると、LinuxホストからゲストOSへのファイルやフォルダのドラッグアンドドロップやテキストのコピーペーストが可能になる。
また、ホストOSのフォルダをゲストOSと共有することもできる。こうしたフォルダは、Windowsゲストの\\.host\Shared Folders\で参照でき、ネットワークドライブとして追加することができる。Linuxゲストでは、/mnt/hfgsディレクトリにこの共有フォルダがマウントされる。
Workstation 6ではエラーダイアログが新しくなり、Workstationウインドウの右下の隅にあるアイコンからアクセスできる。サウンドデバイスがブロックされているかDHCPサーバが利用できない場合は、エラーメッセージが表示されてエラーダイアログにそのログが記録されるが、VMのブート処理は続行される。
Workstationの以前のバージョンとは違い、今回のバージョンはフルスクリーンモードとウインドウモードの切り替えがスムーズになっている。VMの画面は、フルスクリーンモードではホストの解像度に合わせて、またウインドウモードでは可視領域に応じて、それぞれ適切なサイズに自動で変更される。また、マウスの動きも良くなっている。つまり、マウスを動かしてゲストOSやホストOSの画面を出入りする際に、カーソルが別の場所に飛んでしまうことがないのだ。
はじめてWorkstationを使う人には、詳しく書かれた466ページものユーザーマニュアルがありがたく思えるだろう。WorkstationのインストールやVMの作成といった基本的な項目だけでなく、上級者向けの設定オプションやパフォーマンスチューニングについても説明されている。
今回のリリースでは、すべてのタイプのユーザーを対象とした機能が少なからず存在する。マニュアルとサポートに加えて、Linuxデスクトップを仮想化するユーザーのためのUSB 2.0デバイス向けサポート、ゲストOSでのテキストやファイルのコピーペーストなどである。開発者の場合は、自らが手掛けたアプリケーションのVM内でのテストをIDEから行えるという利点を享受できる。また、VMの特性を記録して解析する機能が、アプリケーションのクラッシュ原因の追求に役立つことも分かるだろう。
Workstation 6.0は、仮想化ソフトウェアの今後を予見させる存在でもある。Direct3Dのような実験的機能が主流のバージョンに組み込まれれば、Cedegaのような特殊なアプリケーションにも対応できるようになるだろう。Windows OSの実行ホストで使えないままになっている機能がさらに減れば、Workstationはもっと便利なものになる。例えば、物理的なWindows OSでできているように、Workstationを使って物理的なLinuxマシンのVMへの変換を可能にしてほしいと思っている。
もちろん、USB高速モードのサポート、Eclipseプラグイン、スナップショットの記録/再生をはじめとする快適な機能がなくてもよいなら、VMware Server、Virtual Box、QEMU、Bochsといった数々のフリーおよびオープンソースの仮想化ソフトウェアが利用できる。だが当面は、その機能ゆえにVMware Workstationが今日手に入る最も優れた仮想化ソフトウェアだといえよう。
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