2007年度日本OSS貢献者賞発表、YARVの笹田氏など4名

IPAは、2007年度日本OSS貢献者賞の受賞者に、小山哲志氏、笹田耕一氏、佐藤嘉則氏、松本裕治氏の4名を選出した。

» 2007年10月12日 14時39分 公開
[ITmedia]

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は10月12日、優れたオープンソースソフトウェア(OSS)の開発者やOSSの普及に貢献した方を表彰する「2007年度日本OSS貢献者賞」の受賞者を選定した。

 今回が第3回目となる同賞。過去には鵜飼文敏氏、まつもとゆきひろ氏、高橋浩和氏、高林哲氏(2005年度受賞者)、比嘉康男氏、平林俊一氏、山本博之氏、吉藤英明氏(2006年度受賞者)といったそうそうたるハッカーが受賞している。

 今回、52名の中から受賞したのは、小山哲志氏、笹田耕一氏、佐藤嘉則氏、松本裕治氏の4名。

 小山氏は日本PHPユーザー会や日本UNIXユーザー会などを通じ、長年、OSS活用のシステム構築に携わる技術者の育成に貢献するなど、そのコミュニケーション力の高さやシナジーを生み出せる点が評価された。

 過去に未踏ユースでスーパークリエイターにも認定されている笹田氏は、YARV(Yet Another Ruby VM)の開発者としてRubyの高速化に貢献しているほか、Rubyの普及や促進にも大きな影響を与えている。

 同じく過去にスーパークリエイターの認定を受けている佐藤氏は、H8アーキテクチャのメンテナとして知られる一方、関連するツールチェーンなどの改善提案などを行ってきた。その成果はLinuxカーネルのメインラインに取り込まれるなど、組み込み分野のソフトウェア開発をOSSの分野から支えていることが評価された。

 松本氏は、自然言語処理の専門家として大学で研究を行う傍ら、その研究成果を日本語形態素解析システム「茶筌(ChaSen)」などの形で公開するといった取り組みが、産官学の連携を促進するとともに、OSSのあるべき姿の1つとして高く評価された。

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