特集
» 2007年12月18日 07時00分 公開

女性システム管理者の憂鬱:神出鬼没の「PCに詳しい人」の正体 (1/4)

初心者ユーザーのサポートで、七不思議の1つになっている「PCに詳しい人」。彼らは状況を余計に悪化させることが多い。そんな人は現実にもいたりする。

[高橋美樹,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「運用管理の過去・現在・未来」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。



 わたしがウイルスワクチンソフトメーカーでユーザーサポートを担当していたころ、仕事仲間が集まると、必ず話題に上る共通体験があった。その1つが、仕事を始めた途端、友達からの電話が増えたというものだ。

 それまで大して親しくなかったような友達から、夜のリラックスタイムに突然の電話が入る。どうということのない話題の後、やっかいな本題に突入する。「最近PCの調子が悪くて……」。そこから1時間も2時間もPCのトラブル対応に付き合わされるといううんざりする経験を、仕事仲間の誰しもが持っていた。

職場の七不思議

 もう1つの共通体験は、仕事上のものだった。サポートセンターに問い合わせてくるユーザーの中には、PC初心者が多い。その中には、どう考えても初心者が思い付く以上の対応をして、余計大変な状況に陥っている人が何人かいるのだ。不思議に思って状況を詳しく聞いてみると、どのユーザーも自分の責任ではないといった口調で、「PCに詳しい人にやってもらった」と言い訳するのだった。

 いずれのケースも「PCに詳しい人」によって、状況は余計に悪化しているように感じられた。そのうちに、住まいも仕事も異なるユーザーの口から定期的に登場するこの「PCに詳しい人」の存在は、職場の七不思議の1つとなったのだった。

 それから数年、わたしは転職してシステム管理者となっていた。そうなると、知人からだけでなく、職場のユーザーからも自宅PCの問い合わせを受けるようになっていたが、上司からは「PCサポートは会社資産に限定するように」ときつく言われていた。

 実は、わたしが勤務する職場は、わたし以外、全員が親会社の社員という特殊な状況だったのだ。親会社のシステム管理を任された子会社社員という身分のわたしは、自分の会社の利益に配慮する必要があった。定額でサポート業務の委託を受けていたわたしの会社は、社員が残業をすればするほど、会社が赤字になる仕組みだった。そのため、業務の効率化を図りたい上層部は、サポートする範囲について親会社と細かい契約を取り交わしていた。もちろん、きりがないような個人の自宅PCのサポートなどは契約外だ。そんなこともあって、会社を挙げて個人PCのサポートには協力しない姿勢をとっていた。

画像

 実際に、環境が異なる自宅PCのサポートを会社にいて行うことは至難の業だ。インターネットの開通作業1つとっても、プロバイダーごとにIDやパスワードの管理方法も違えば、設定方法も接続環境によってさまざまだ。トラブルともなれば、なおさら状況は厳しくなる。マニュアルも読んでいないユーザーの思い込みによる説明から、正しく状況を把握するのは不可能に近い。不確定な情報を基にサポートを行えば、ますます状況が悪化することは目に見えている。ひょっとすると、自分があれほど忌み嫌っていた「PCに詳しい人」になりかねないのだ。

 困っているユーザーを目の前にすると、なんとかしてあげたいという気持ちにもなるが、そこはドライに徹して、各プロバイダーのサポートデスクに問い合わせるように勧めていた。ほかの拠点の同僚たちも、自宅PCのサポートに関しては、同じスタンスをとっていた。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -