神出鬼没の「PCに詳しい人」の正体女性システム管理者の憂鬱(3/4 ページ)

» 2007年12月18日 07時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

 Aさんは、社内システムではなく、本社と代理店が共有する特別なシステムの運用を担当していた。そのシステムの知識は相当だが、実際に話した感じでは、社内システムやPCに関しては一般ユーザーと変わらない印象があった。Aさんに状況を確認するため、アシスタントの方にお願いしてなんとかAさんと連絡を取ってもらった。

わたし:「お忙しいところすいません。今、拠点内のメールが使えない状況なのでいろいろ確認をとっているんですが、Aさんは何か心当たりありませんか?」

A:「いや、ないですね。僕はただ、写真を拠点全員に送っただけです」

 それだ。なぜ拠点全員に写真なんかを。きっと仕事に必要なものなのだろう。

わたし:「拠点全員に? アドレスは何を使いました?」

 メーリングリストなら、添付ファイルのサイズに制限がある。その制限サイズに収まっているなら、これほどまでの障害は起きないだろう。

A:「ほら、拠点オールとかいうアドレス。Active Directoryで検索すると出てくるやつ。こないだ教えてもらったんですよ」

画像

 なぜか得意げだ。実は、そのドメインには、申請ベースのメーリングリストとは別に、Active Directoryの組織構成にひも付いたグループアドレスが存在していた。ただし、グループの規模が大きくなればなるほど、ウイルスや添付ファイルによる影響も拡大することから、システムの知識がある人や全拠点に周知する必要がある総務担当くらいにしかその存在は公開されていなかった。もちろんこの担当者は、システムに詳しい人としてその情報を習得したのだろう。

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