Microsoft、新モデリング言語「D」の開発に着手(1/3 ページ)

Microsoftが、同社の広範なモデル駆動開発戦略「Oslo」で中枢的な役割を担う宣言型プログラミング言語を「D」と呼んでいる。

» 2008年02月06日 20時53分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 2007年10月に「Oslo」と呼ばれる広範な戦略の下でモデル駆動開発をサポートする計画を正式発表したMicrosoftが、新たな宣言型プログラミング言語や支援のために編集ツール、さらには同戦略に関わるその他のコンポーネントの開発に着手していると、同社に近い消息筋が明らかにした。

 Microsoftは、アプリケーション開発、設計、管理、実装を簡素化する、一定の形を持たないビジョンの一環として、Osloを発表した。同社の幹部によれば、Oslo戦略は、スパニングサーバやクライアント、インターネットクラウドからなるサービスインフラストラクチャと、汎用モデリング言語、ツールおよびリポジトリを含む実行可能モデリングプラットフォームの両方を網羅した、一連の技術投資という形で進められるという。

 しかしながら、Oslo戦略の中核は、現在は単に「D」と称されている新しい宣言型プログラミング言語が担っていると、同消息筋は話した。その名が示しているとおり、Osloが都市であるなら、そこへたどり着くための鍵がDになるというわけだ。

 前述の消息筋によれば、DはMicrosoftが開発中の新たな開発言語で、Osloリポジトリのアプリケーションおよびコンポーネントを作製するものと説明している。もっともDは、グラフィカルモデリングツールやそのほかのコンポーネントを含む、大きなパズルの1ピースに過ぎない。Dは、ビジネスプロフェッショナルやドメイン専門家が使用するのに適した、テキストモデリング言語になると考えられている。

 Dを特徴づけているのは、「Intellipad」という新種の編集ツールだ。Intellipadは、D言語用のテキストエディタとして機能し、Osloリポジトリのアプリケーションおよびコンテンツ開発をさらに容易にする。

 Intellipadは基本的にはDと併用するツールだが、ほかの宣言型言語に対応させることもできると、同消息筋は述べた。現時点では、スクリプティング言語向けにカスタマイズし、適用できるよう手を加えているところだという。同技術は、Unix環境で広く利用されている「Emacs」テキストエディタにちなみ、Microsoft社内では「Emacs.Net」と呼ばれている。

 Microsoft社屋で1月30日に開催された「Lang. NET」カンファレンスに出席した、コネクテッドシステム部門アーキテクトのドン・ボックス氏は、同社のエンジニアは、「記述することばかりでなく、読むこともごく自然にできるテキストファイルを作成するシンプルな手法の開発に大きな力を傾けている」と話した。

 DとIntellipadの開発には、このコネクテッドシステム部門が当たっているという。このほか、開発者部門をはじめとするMicrosoftの複数の部署が、Oslo戦略の別のコンポーネントに関して作業を進めている。

 2007年末から2008年初頭に、一部のMicrosoftブロガーがEmacs.Net計画について言及し始めたのを受け、コネクテッドシステム部門の製品管理担当ディレクターを務めるバーリー・カワサキ氏は次のような声明を出した。

 「このところ、『Emacs.net』的環境が登場する可能性に言及する人が増えているが、これは、開発者コミュニティーがモデル駆動開発を普段から使用する状況を作ろうとMicrosoftが実施している、複数の研究開発活動のことを指摘しているものと思われる。製品提供の面で詳細を発表できる段階には至っていないが、現在当社が開発しているOsloモデリングプラットフォームを軸に、開発者が求める宣言型モデルの編集および開発法の実現に重点を置いた環境作りを始めているのは確かだ」(カワサキ氏)

 ボックス氏はLang. NETにおける講演で、Microsoftは宣言型プログラミングにもっと注力する必要があると述べた。

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