「SIer丸投げ」からどう脱却する? “非ITエンジニア9割”でシステム刷新に挑んだJFEスチールに学ぶ

ユーザー企業とSIerの関係が、静かに変わりつつあります。経営とITシステムの関係が密接になる中で、ユーザー企業がITシステムの主導権をいかに取り戻すか。ユーザー企業とSIerの在り方のヒントを3冊のブックレットから探ります。

» 2026年07月28日 08時30分 公開
[ITmedia]

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 ユーザー企業とSIer(システムインテグレーター)の関係が、いま静かに変わりつつあります。

 AI活用を前提としたITシステムの実現が喫緊の課題となる中で、その足を引っ張るレガシーシステムの解消がより重視されるようになっています。そこで焦点が当たるのが、「ITシステムの主導権を自社に取り戻せるか」という、古くて新しい課題です。

 「ITmedia エンタープライズ」で公開したブックレットの中から、この課題に向かい合った記事を集めた3冊を紹介します。

 自社主導でシステム刷新を実現したJFEスチールの事例や、AI時代に役割の見直しを迫られているSIer――。これらのブックレットからは、ユーザー企業がITシステムの主導権を取り戻すことがなぜ必要なのか、またAIによってシステム開発に「地殻変動」が起こる中で、SIerがどのような危機感を持ち、生き延びるためにどうもがいているのかが見えてきます。

1. 過去に一度は断念、「非ITエンジニア9割」でやり切ったJFEスチール

 最初に取り上げるのは、システム刷新の主導権を自社で握ったJFEスチールの事例(「なぜ、JFEスチールは『非ITエンジニア9割』でシステムモダナイズに挑んだのか? 刷新成功の舞台裏」)です。同社は過去、システム刷新を断念した経緯があります。それにもかかわらず今回は、鉄鋼エンジニアが9割、ITエンジニアが1割という“異例の布陣”で刷新に挑み、レガシーシステムを刷新しました。

 かつて頓挫した刷新を、なぜ今回はやり遂げられたのか。なぜこうした布陣を選んだのか。ブックレットでは、この問いに加え、レガシーシステムモダン化委員会の総括レポートの執筆者とともに、日本企業のシステム刷新が進まない背景に迫り、SCSKの顧問や日立製作所の有識者が語る「再レガシー化を防ぐための3つの処方箋」を取り上げています。

2. 「実装代行」はもう終わり? AIが前提の世界でSIerは生き残れるか

 2冊目は、ユーザー企業とSIerの関係の変化に目を向けたITRによる考察(「『AIが前提となる世界』でSIerは生き残れるか?」)です。

 ITコンサルティングと調査を手掛けるアイー・ティー・アールのアナリストは、ユーザー企業が「何を作るか」ではなく「何を実現したいか」を直接AIに伝える時代になりつつあると指摘します。その中でSIerには単なる実装代行ではない価値が求められ、工程分業や多重下請けを前提とした従来型のSIビジネスは変革を迫られる――。ユーザー企業の側から見れば、これは「任せる相手」がどう変わるのか、今後何を任せるべきかという問いでもあります。

3. NEC社長が説く「勝者の条件」 任せる相手はどう変わる?

 3冊目は、ITサービス大手の視点から業界の変質を読み解くNECのブックレット(「NEC社長が説く『SIerの勝者の条件』 2026年度の国内IT需要の行方」)です。

 NECの森田隆之氏(取締役 代表執行役社長 兼 CEO)は、AIによる産業革命と新たな安全保障環境という2つの変化を挙げ、グローバルで45兆円を超えるAIサービス市場が新たに生まれると見通します。「ITサービス」が数年後に「AIサービス」に置き換わる可能性がある中で、ベンダーとユーザーの双方が問われる選択とは何か。森田氏が示す「勝者の条件」の中身は、ブックレットで語られています。併せて、富士通とNECの決算から2026年度の国内IT需要の行方も考察しています。

 ユーザー企業とSIerの関係は、もはや「任せておけば安心」という一言では語れなくなりつつあります。ITシステムの主導権をどこまで自社で握り、外部のパートナーとどう付き合うか。3冊のブックレットは、その問いに向き合うIT部門にとっての判断材料になるのではないでしょうか。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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