たった1年で10倍に急拡大 “一見地味”なAIガバナンス・リスク管理市場がなぜ?IT調査ピックアップ

ITRの調査によると、国内のAIガバナンス・リスク管理市場は2025年度に前年度の10倍に拡大した。AIブームの中でも、比較的注目度が高くなかったこの領域が急成長している理由とは。

» 2026年09月11日 08時00分 公開
[ITmedia]

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 ITコンサルティングと調査を手掛けるアイ・ティ・アール(以下、ITR)は2026年9月8日、国内のAIガバナンス・リスク管理市場の規模推移と予測を発表した。同市場の2025年度の売上金額は4億円で、前年度の10倍に拡大した。ITRは2025〜2030年度のCAGR(年平均成長率)を106.4%と算出し、2030年度には150億円に達すると予測している。

図1 AIガバナンス・リスク管理市場規模推移および予測(2024〜2030年度予測)(出典:ITR「ITR Market View:AI基盤・ガバナンス市場2026」) 図1 AIガバナンス・リスク管理市場規模推移および予測(2024〜2030年度予測)(出典:ITR「ITR Market View:AI基盤・ガバナンス市場2026」)

 従来のセキュリティ製品とは異なり、“一見地味”な領域の製品市場が、なぜ1年で10倍に拡大したのか。AIの活用フェーズの変化で生じた「新たなリスクの発生源」とは何か。

AIガバナンス、リスク管理市場が急成長する理由は?

 ITRは、生成AIの高度化と利用拡大に伴い、従来のセキュリティ対策やWebアプリケーション管理だけでは対応が困難なAI特有のリスクへの対策が求められている、と同市場拡大の理由を指摘する。

 AI特有のリスクとしては、脆弱(ぜいじゃく)性を悪用した攻撃やプロンプトの流出、機密情報の誤入力、ハルシネーション(生成AIが事実と異なる内容を出力する現象)を挙げる。こうした需要の高まりを受けて参入ベンダーが増える他、生成AIの利用がさらに拡大することで市場は急速に立ち上がるとITRはみている。

 ITRの舘野真人氏(プリンシパル・アナリスト)は、AIガバナンス・リスク管理への投資について「AI活用の範囲を拡大するための前提条件になりつつある」と分析する。「生成AIの活用がAIエージェントによる自律的な処理へと広がる中、リスクの発生源が入力時の情報漏えいから、AIが実行した処理そのものへと移りつつある。その管理と制御を社内規程と人手の確認だけで担保することは難しく、専用ツールの需要は今後も継続的に高まるとみられる」(舘野氏)

 舘野氏は、ユーザー企業はAI活用の企画段階からガードレールとリスク関連情報の記録要件を明確化し、実際の運用ではまず利用実態の可視化から着手する必要があるとしている。

 なお、ITRはAIガバナンス・リスク管理市場を、AIシステムの品質評価や精度・公平性のモニタリング、ガードレール(入出力制御)を担う製品・サービスと定義する。監査証跡の記録・管理や利用ポリシーの策定・適用、リスク管理を担う製品も含む。AIガバナンスプラットフォームやモデル評価・ベンチマークツール、AIオブザーバビリティ基盤、AIガードレール、AI監査ソリューションなどが該当する。汎用(はんよう)セキュリティ製品やDLP(Data Loss Prevention)、AI開発基盤本体は含まない。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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