SAPとBOの日本法人が社長会見、「ビジネスオブジェクツ」は存続

SAPジャパンと日本ビジネスオブジェクツは独SAPによるBusiness Objects買収後の事業戦略を説明した。買収後も、世界でBusiness Objectsを独立した事業体として存続させることなどを明らかにした。

» 2008年02月26日 17時21分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 SAPジャパンと日本ビジネスオブジェクツは2月26日、都内のホテルで記者会見を開き、独SAPによるBusiness Objects(BO)買収後の事業戦略を説明した。両社の社長が出席し、買収後も、世界でBusiness Objectsを独立した事業体として存続させることなどを明らかにした。

「サポートだけでなくBusinessObjects XIへの投資を引き続き拡大する」というSAPの八剱社長(左)と日本ビジネスオブジェクツの印藤公洋社長

 SAPジャパンの八剱洋一郎社長は「BOのアプリケーションはSAPだけでなく、Oracleなど他のアプリケーションとも相性がいい。無理にSAPに吸収すればBO買収のメリットを失うことになる。今後もBOは独立した事業体として存続する」と話した。

 「買収戦略に頼るOracleに対して、SAPは(既存事業を発展させることによる成長を目指す)オーガニック・グロースを信条としている。今回のBO買収は極めて例外的だ」(八剱氏)

 製品面で八剱氏は「SAPは“現在”のデータを正確に扱うのは得意だが、過去を分析して未来の戦略立案に生かすのがやや不得手だった。BOのビジネスインテリジェンス製品により、未来の戦略策定に強くなる」と話した。

 一方、日本ビジネスオブジェクツの印藤公洋社長は「われわれの顧客にはOracleのユーザー企業も多く、日本オラクルとの関係は良い」と話す。そんな中でのSAPによる買収で立場は微妙になるが、ソフトウェア業界では「右手で手を握り、左で喧嘩をする」ことはよくあるため、今後も路線は変更しないと話した。

 なお、両社の製品ロードマップや開発の方針について、現状で確定した事柄はないとしている。

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