生活物資の値上げが続き、電気やガスなどの料金も上がる気配をみせる。IT分野への影響はどうだろうか。
国際的な穀物需要の急増に伴う食料品の値上げ、また、道路特定財源の復活や折からの原油高に伴うガソリン価格の高騰など、5月に入り生活物資の値上げが相次いでいる。さらに、国際的な鉄鋼価格の引き上げや、夏ごろには電気やガスなどインフラ料金も引き上げられる見通しだ。
これら一連の価格上昇の動きで懸念されるのが、製品価格やサービス、サポート価格への長期的な影響。IT関連企業各社では、影響を最小限度に抑える方針であるという。
製造分野では、原材料や輸送などに関連するコスト増が懸念されるが、富士通は「調達段階からさまざまなリスクを折り込んでおり、今回の影響も自助努力で吸収する」としている。製品価格へ転嫁はしない方針。日本HPも、「現状では値上げを考えていない。(企業向け)サポートも契約ベースのものが多く、(料金などの)条件変更は現実的ではない」としている。
通信・ネットワーク分野では電気料金などインフラ料金値上げの影響が懸念されるが、KDDIは「できる限り自社で吸収し、ユーザーに追加負担をお願いする予定はない」と話す。データセンターサービスなどを展開するインターネットイニシアチブ(IIJ)も、「実際に影響が出たら検討することになるが、現状では料金に転嫁しない」という。
今後も価格上昇の動きが続くことが予想され、各社とも「状況によっては(値上げなど)対応を考える必要もありうる」とコメントしている。
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