SAP自身も、Business Networkによってパートナーの力をフルに活用できるエコシステムを形成し、他社が模倣できない強力なソリューションを提供している。
ヘニング・カガーマンCEOの基調講演で披露されたBlackBerryのCRMソリューションが良い例だろう。営業マンが外出先からSAP CRMの顧客情報にアクセスできるだけでなく、商談の進み具合をシステムに入力することもできる。SAPは、Research in Motionと協力し、ユーザーが望むコンピューティングの活用スタイルを模索している。
基調講演後のプレスQ&Aセッションには、Research in Motionの共同CEOを務めるジム・バルシリー氏も出席し、「モバイル端末にとって、CRMはメッセージングに次ぐ汎用アプリケーションとなるだろう。BlackBerryとSAPのソリューションは、顧客との関係をより緊密に変えてくれる」とバルシリー氏は話した。
アポテカ氏の基調講演でも、Cisco SystemsのVoIP技術とDatria Systemsの音声技術を組み合わせ、サプライチェーンの精度を高めた例として、Coca-Cola Enterprisesが紹介され、イサット・セザーCIOがステージに招き上げられた。
コカ・コーラのボトラーとディストリビューターである同社は、SAP ERPと音声による受注や出庫指示が可能なDatriaのソリューションを組み合わせ、受注時の人的なエラーを減らすとともに、出庫もスムーズに行えるようになったという。
「われわれにとっても、Business Networkは、真の競争優位性をもたらしてくれる」とアポテカ氏は話す。
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