P&Gらが実践するBusiness Network、これこそ競争優位の源泉SAPPHIRE 08 Orlando Report(1/2 ページ)

SAPの年次カンファレンス、「SAPPHIRE 08 Orlando」には、成功企業に学ぼうと多くの顧客が足を運んでいる。アポテカ共同CEOの基調講演では、Business Networkを構築することの重要性や、SAPソリューションによってその取り組みに成功した企業が紹介された。

» 2008年05月08日 11時08分 公開
[ITmedia]

 フロリダ州オーランドで開催中のSAP年次カンファレンス「SAPPHIRE 08 Orlando」では、1万5000人の顧客やパートナーらが成功企業に学ぼうとしている。同じ業種で似たような規模の企業が、どのようにSAPのソリューションを導入し、果実を得ているのか。彼らがSAPPHIREに参加する最大の狙いはそれだ。

この4月から共同CEOに昇格したアポテカ氏

 米国時間の5月6日午後、レオ・アポテカ共同CEOの基調講演は、Business Networkを構築することの重要性や、SAPソリューションによってその取り組みに成功した企業が紹介された。

 世界はよりフラットになり、厳しい淘汰の時代を迎えている。主導権は消費者に移り、戸惑っている時間はない。突然地球の裏側からライバルが現れてくる。経済の先行きも不透明だ。だが、アポテカ氏は、「これをチャンスに変えなければならない」と話す。

 「Business Networkこそ将来の競争優位の源泉となる。ネットワークに参加するプレーヤーの総力で高い価値を提供できれば、それは簡単に模倣できない優位性を生む」(アポテカ氏)

P&GはBusiness Networkでイノベーション

 Business Networkによって、ビジネスの統合、サプライチェーンの可視化、および社内外のコラボレーションの促進を図った成功例として、アポテカ氏は、大手消費財メーカーのP&GでCIOを務めるフィリップ・パサリーニ氏をステージに招き上げた。

 P&Gは、それまでばらばらだったシステムをグローバルな共通サービスに変え、スケーラビリティやアジリティ、サプライチェーンの可視化、およびイノベーションを実現したという。

     P&GのパサリーニCIO

 「Gilletteの統合も迅速に進めることができたし、社内外のグローバルなリソースを活用して、新たな商品を短期間で開発できるようになった」とパサリーニ氏。同社では、「Connect & Develop」を掲げ、コラボレーションによるイノベーションを推進する。

 アポテカ氏は、「P&GのBusiness Networkは、Connect & Developを実現し、他社が模倣できない競争優位性をもたらしている」と話す。

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