アクセンチュアがAnthropicとの協業を国内本格化 Claudeを活用した4つの支援領域とはAIニュースピックアップ

アクセンチュアがAnthropicとの戦略的パートナーシップに基づく協業組織を日本で本格始動した。Claudeを利用した4つの支援領域とは。

» 2026年05月13日 08時00分 公開

 アクセンチュアは2026年5月11日、AIスタートアップのAnthropicとの戦略的パートナーシップに基づき、日本での協業体制を本格始動したと発表した。同年5月1日に「アクセンチュア Anthropic ビジネスグループ」(以下、ビジネスグループ)が活動を開始し、AIモデル「Claude」を軸に国内企業の変革を支援する。

 両社は2025年12月、グローバル規模の戦略的パートナーシップ拡大を発表した。「責任あるAI」を共通の価値観として据え、金融やライフサイエンス、医療、公共分野といった規制業界向けのソリューション開発を進め、Claudeを基盤としたサイバーセキュリティ運用ソリューション「Cyber.AI」を2026年3月に発表した。アクセンチュアの従業員約3万人を対象としたClaudeの研修も進めている。

 今回の日本展開では、日本企業特有のIT環境や業界特性を踏まえてClaudeを運用に組み込む。

Claudeを活用する4つの支援領域

 ビジネスグループが日本で提供する主な支援領域は次の4つだ。

1.全社AI変革の設計と実行

 個別業務の効率化にとどめず、戦略や業務プロセス、組織、人材、文化、テクノロジーを横断する変革として設計、実行する。経営層との戦略対話を起点に、業務の可視化と再設計を進めるとともに、コーディングを支援する「Claude Code」や業務支援AIエージェント「Claude Cowork」を利用して実装する。既存システムや組織体制との整合を踏まえた設計、運用、チェンジマネジメントによる定着を支援する。

2.AI駆動開発によるソフトウエア開発ライフサイクル(SDLC)の刷新

 要件定義や設計、開発、テスト、リリース、運用といったソフトウエア開発工程にAIを組み込む。市場環境の変化や新たな規制要件への対応スピード向上を支援する。Claude Codeは、リスクの高いコードの生成を抑止する安全学習手法「Constitutional AI」(編注)を備えている。仕様やテストの事前定義、AIによる多段階の品質チェック、変更の根拠と履歴の自動記録などを組み合わせてガバナンス体制を整備する。

3.基幹系レガシーシステムのモダナイゼーションと最適化

 アクセンチュアが提供する基幹システム変換ツール「MAJALIS」とClaudeを組み合わせる。MAJALISが既存資産を標準的なJavaに変換し、Claudeがコード解析、仕様の可視化、テスト生成などを担う。この組み合わせによって移行後の可読性や保守性、拡張性を高める。

4.サイバーセキュリティ変革

 アクセンチュアが独自開発したAIエージェント群とClaudeを組み合わせたAI駆動型サイバーセキュリティソリューション「Cyber.AI」を提供する。サイバーセキュリティ専門家3万人超と連携してアセスメントやトリアージ、復旧、継続的な高度化を支援する。AI活用を前提としたセキュリティガバナンス設計やインシデント対応力の強化、業界固有の規制要件への対応にも取り組む。

 Anthropic Japanの東條英俊氏(社長)は、今回の協業について次のように述べた。「日本のお客さまとの対話を重ねる中で、生成AIに求められているのは性能の高さだけでなく、自社の業務や文化に根ざした形で安心して使えることだと実感している」

編注:Constitutional AIは、Anthropic独自の安全学習手法。あらかじめ「憲法」(行動原則)として倫理や価値観を学習させることで、Claudeに成果物を評価、修正させる。

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