Mozilla LabsからプロトタイプとしてリリースされたFirefox拡張機能「Ubiquity」は、これまでのブラウザ体験を大きく変化させる可能性に満ちている。本稿では、Ubiquityの魅力を解説する。
はじめまして、june29と申します。この記事では、先日Mozilla Labsからリリースされ、密かに話題になっているFirefox拡張機能「Ubiquity」を紹介したいと思います。
Ubiquityが提供する機能を解説する前に、百聞は一見にしかずということで、まずは紹介ビデオを見てみましょう。
このビデオ、とても格好いいですね! Ubiquityの魅力を十二分に伝えてくれます。
「何じゃこりゃ!」と感じた方も多いかと思います。Ubiquityはブラウザ上でのありとあらゆる操作をスマートにこなせるようにしてくれる、超強力なコマンドラインツールです。Mac OS Xをお使いの方であれば、Quicksilverに近いものだといえば理解も早いでしょうか。キーボード派の方にはピッタリです。
現在、バージョン0.1のプロトタイプが公開されたばかりのUbiquity(追記:記事公開後にバージョン0.1.1がリリースされました)。Labs/Ubiquity/Ubiquity 0.1 User Tutorial - MozillaWikiによると、現行バージョンではWindowsおよびMac OS X版のFirefoxに対応しており、Linux版ではデスクトップへの通知で一部不具合もあるようですが、今後の発展に大きな可能性を感じずにはいられません。
男は度胸! 何でも試してみるのさ! それではUbiquityをインストールして使ってみましょう。UbiquityはMozilla Labsのサイトから入手できます。
デフォルトの起動ホットキーは、WindowsだとCtrl+Space、MacではOption+Spaceとなっています。ホットキーの変更は、ロケーションバーに「about:ubiquity」と入力するか、Ubiquityのhelpコマンドでアクセスできる「About Ubiquity」のページから設定できます。
設定したホットキーを押すと、表示中のタブ領域の左上に半透明の黒い長方形が現れます。これがUbiquityのコマンドラインインタフェースです。せっかちな読者の方は、もうすでに何かを実行されているかもしれませんね。
さて、Ubiquityを楽しむ準備が整ったところで、あらかじめ組み込まれているコマンドを幾つか紹介しておきます。コマンド群の一覧は、command-listコマンドを実行するか、上述した「About Ubiquity」のページから「Your Commands」(chrome://ubiquity/content/cmdlist.html)を選ぶことで確認できます。
説明不要、Google検索のコマンドです。「google」と半角スペースの後に打ち込んだ文字列が検索語になります。Enterキーを押さずとも、その場で検索結果の上位3件がプレビュー表示されます。
なお、バージョン0.1では、日本語入力中の変換確定のためのEnterキーがUbiquityに拾われてしまい、コマンドが実行されてしまいます。このため、日本語を使った場合に予期せぬページなどに飛んでしまうことがあります(もっとも、インプットメソッドによっては変換確定をCtrl+Mキーで行うことで遷移せずに利用できますし、遷移した場合でも再度Ubiquityを立ち上げると、正しく処理されてはいるのですが)。次期バージョンでの改善を期待しましょう。
指定した都市の天気を教えてくれるコマンドです。温度の表示は摂氏ではなく華氏です。
実は、コマンド名は最後まで入力する必要はありません。文字を入力するたびに、インクリメンタルサーチによってコマンドの候補が絞り込まれます。例えばgoogleコマンドを実行したいときは「g」と打つだけでも大丈夫です。絞り込まれたコマンドの候補を選択するときは、矢印キーの上下キーを使います。さらに、Webページ中の文字列などを選択した状態でUbiquityを呼び出し、入力欄を空にすると、選択中の文字列が引数に渡されたような状態になります。
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