Research In Motion(RIM)のBlackBerryエコシステムが、最もセキュアなワイヤレスプラットフォームであるという事実を発見したのは誰あろう、サイバー犯罪者たちだ。
Research In Motion(RIM)のBlackBerryエコシステムが、最もセキュアなワイヤレスプラットフォームであるという事実を発見したのは誰あろう、サイバー犯罪者たちだ。
今週初めの「The Vancouver Sun」の記事によれば、王立カナダ騎馬警察隊(RCMP)による調査の結果、お金を払ってBlackBerryの商用グレードのセキュリティを手に入れる犯罪者が増えていることが分かった。
Vancouver Sunが情報公開法に基づいて入手したRCMPの報告書は、「BlackBerryサーバは、企業のデータセキュリティを想定したものとなっている。最近まで、このシステムはTelusやCIBCなどの企業にしか手が届かなかった。しかし今では、手ごろな値段になり、個人でも容易にBlackBerryネットワークをセットアップできるようになった」と述べている。
Telus(通信会社)とCIBC(銀行)はカナダの企業だが、米国でも状況は同じだ。自分たちが利用するワイヤレスインフラで最高レベルのセキュリティとROI(投資効果)を求める用心深い悪党たちは、多くの大企業と同じ判断を下し、BlackBerryを採用しているのだ。
RCMPのバンクーバー統合技術犯罪部門の責任者を務めるブルース・イムリー曹長は「3〜4年前からこういったケースが増えてきた」とVancouver Sunの取材で述べている。
さらに同記事は、犯罪者によるBlackBerryプラットフォームの利用で、取締当局が悪人たちの動きを見張るのが困難になってきたとしている。同システムが強力な暗号化技術を搭載しているからだ。
同記事によると、当局が犯罪者のBlackBerry携帯端末を押収したとしても、端末のセキュリティ設定のために、通信内容を解読するのが困難な場合が多いという。
犯罪者の技術レベルという点でいえば、特に技術に詳しい犯罪者だけでなく、暴走族など最先端のツールにあまり縁がないような犯罪者までもがBlackBerryにチャレンジしている。
「BlackBerryを利用することにより、彼らは合法的なアクセスを回避することができる。通信内容が暗号化されるからだ」とイムリー氏は語る。
256ビットキーを採用したRIMのBlackBerryサーバの暗号化は、ほとんど解読不可能だと宣伝されている。これは誇大宣伝のようにも思えるが、BlackBerryがハッキングされたという記事を最後に読んだのはいつだろうか(よく考えれば一度もない)。
電子的なセキュリティに対する適切な技術的アプローチのマイナス面は、善人だけではなく悪人もそれをそっくりそのまま利用できる場合が多いということだ。
コルト.22(ピストル)の発明以来、こういった事情はあまり変わっていないということだろう。
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