業務知識の世代交代を着実に行いダウンサイジングを実現するために、長崎県では一気に進めるのではなく、2期構成とし、OpenCOBOLを利用することにした。
前回までの話で、情報の登録処理および出力処理はリライトとし、業務処理部分は後でと決まった。ダウンサイジングを一気に進めるのではなく、まずは図1の構成にしてしまう。つまり、長崎県庁では、ダウンサイジングを2期構成とし、第1期の目標を下図とし、業務処理部分のオープン系移行を第2期とした。
第1期を用意することで、
汎用機連携などの苦労話は、次回以降にするとして、第2期にどう挑むかは難しい選択である。まずは言語の選択だ。
ダウンサイジングをベンダーに丸投げするのなら、プロが扱う言語であるCやJAVAでいいのだろうが、「丸投げ=高価格」は今までの経験から明らかだ。この選択は誤りに思える。SEはプロであるがゆえに効率的な開発を求め、Cでポインターやオブジェクト指向を学ぶが、県の職員はどうであろうか。早くて美しいコードとか短いコードなんてまったく関係なく、コードに十分なコメントが入っていればOKで、あとはダサくても何でもいいから手早く業務をこなしたい。ただそれだけなのではないだろうか。ダウンサイジングをしていく上で、職員が言語に求めるものは、短時間で覚えられることと、新たなバグ取りが少ないことなのだ。
筆者もそうであるが、SEは、新しい言語とか楽な言語が大好きである。PHPやRuby、Flexなどがまさにそうだ。逆に、古くてダサい書き方しかできない言語は嫌う傾向にある。ただ、仕事をするときは「古くてダサい」なんていわずに、「10年後、保守できるSEが多いとは思えない」と話をすり替えたり、「10年後、OPEN系のCOBOLが販売されているか極めて疑問だ」としたりする。SEはプログラミングが大好きで、大好きであるが故に、古くてダサい言語のために自分の貴重な時間を使いたくないというのが本音なのだ。
ところで、COBOLはどれくらいの期間で習得できるだろうか。どうも、他の言語をすでに知っている場合、一週間も勉強すれば即戦力として仕事ができるというのが一般的であるらしい。古い言語なので、面倒と感じる面はあるものの、難しい言語ではない。言語はCOBOLのままで良い。
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