Red Hat、Red Hat Enterprise Linux 5.3をリリース

Red Hat Enterprise Linuxの最新版となるバージョン5.3では、仮想化機能が強化されたほか、Core i7への対応も果たした。マイナーバージョンアップだが、Fibre Channel over Ethernet(FCoE)なども試験的にサポートするなど変化も多い。

» 2009年01月22日 06時10分 公開
[ITmedia]

 Red Hatは米国時間の1月20日、最新のLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux 5.3(RHEL 5.3」の一般提供を開始した。動作プラットホームは、x86、x86-64、Itanium2、POWER、System z、S/390。

 Linuxカーネル2.6.18を採用したこのバージョンでは、Intelの最新マルチコアプロセッサ「Core i7」に対応した。同社が行ったテストでは、Core i7を用いることで商用アプリケーションのパフォーマンスが従来の1.7倍にまで高まったという。

また、仮想化ではハイパーバイザーを「Xen 3.1.2」にアップグレードし、NUMA(Non-Uniform Memory Access)アーキテクチャのサポートなどが強化された。物理サーバでは最大126CPUとメモリ1テラバイトをサポートしており、x86-64アーキテクチャでも32仮想CPUとメモリ80Gバイトまで利用できるようになった。

 米Sun Microsystemsの「Java SE 6」のオープンソース実装「OpenJDK」も搭載した。Sunの互換性テスト「Java SE 6 TCK」を通過しており、Java SE 6とそれ以前のバージョン向けのすべてのアプリケーションに対応するという。同社ではOpenJDKを直接サポートする意向を示しており、「JBoss Enterprise Application Platform」と組み合わせることで、オープンソースJavaスタックを持つ初のエンタープライズ対応ソリューションになるとしている。

 このほか、Windows環境との相互運用性をさらに向上させるため、Sambaなどにも手が加えられているほか、クラスタ環境下でLVMのミラーリングを行う機能も実装された。全体では150近くの修正が加えられており、Fibre Channel over Ethernet(FCoE)なども試験的にサポートしている。

 テクニカルサポートやパッチ、製品アップグレードを含むサブスクリプションモデルにより提供される。製品はインストールする物理サーバのCPUソケット数や、仮想化マシンの数でエディションが3つに分けられており、CPUソケット数/仮想化ゲスト無制限の「Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform」(1台当たり20万4750円から)、2CPUソケット/4仮想化ゲストまでの「Red Hat Enterprise Linux 5」(1台当たり10万1640円から)、2CPUソケットまでの「Red Hat Enterprise Linux 5 Desktop」(25台当たり28万8750円から)となっている。

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